紺紙金字観普賢経(平基親願経)
- 人物
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作者平基親筆
- 年代
-
制作年 治承四年(1180)
- タイトル
- コンシキンジカンフゲンキョウ(タイラノモトチカガンキョウ)
- 寸法
- 25.9×792.0
- 材質・技法・形状
- 紙本着色
- コレクション
- センチュリー赤尾コレクション
- 所管
- 斯道文庫 キャンパス 三田
もとは、『法華経』8巻と開結(『無量義経』・『観普賢経』)を合わせた10巻を一組として書写供養したもの。いま四散して東京国立博物館やMOA美術館、フリア美術館(米国・ワシントン)に一巻ずつ所蔵される。ほかのすべては経師の書写であるが、この「観普賢経」の1巻は、平基親(たいらのもとちか・従三位・兵部卿)の自筆である。奥書により、治承4年〈1180〉7月28日に書写した次第を明らかにする。基親は、晩年法然上人に帰依、浄土信仰に篤い祈りをささげた。大相国入道平清盛が後白河法皇の政道に不満を抱き、歴史上「治承のクーデター」として院の近臣の39名を解官した。この平基親もその一人。官位を離れた基親が無聊の起居日々の中に、その心の懊悩を信仰に求めて、丹誠の筆を執ったもの。『観普賢経』の巻末に記す奥書に「白衣弟子(びゃくえのでし)平基親」と記すのは、解官者たるかれが無官のゆえに、官位や前官などの表記を避けている。白衣弟子とは、浄衣を着装して写経に精進した俗体の人、との意をこめる。この十巻の見返し絵は、法華経十種供養にちなんで十種の具足を伝供する童舞の少年2人を描き、第一から第十種の供養のさまを表わす。本巻はその第十「合掌」をかたどり、極彩色で、美しい天衣をまとう二菩薩(観音・勢至)の合掌姿を描く。写経とともに平安朝絵画史における貴重な遺品である。
[奥書]治承四年庚子七月甲申廿八日戊寅奉書写了/白衣弟子基親
[読み下し文]治承(じしょう)四年庚子(かのえね)七月甲申(きのえさる)二十八日戊寅(つちのえとら)書写し奉り了(おわ)んぬ。白衣弟子(びゃくえのていし)平基親。
オブジェクトの概要
ライセンスなど
所管・分類など
グループのオブジェクト
OPEN DATADESIGN
Keio Object Hub では、データのオープン化を進めるだけではなく、オープン・データを活用してどのような体験がデザインできるか、さまざまな試みを行っています。
オブジェクトの詳細
識別情報
- タイトル(英題)
- Sutra of Meditation on the Bodhisattva of Universal Virtue
物理的特性
- 重量と数量
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員数 1巻
- 材質・技法・形状
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材質 紺紙金泥着色/軸頭水晶(後補か)形状 紙帖
- 付属品
- 白包裂/題箋/付属品1箱(①旧見返し、表紙)/②昭和26年刊行のカタログ(藝苑巡禮社発行)/③宝暦時の旧巻紐、平基親朝臣記、文書3点/④昭和28年2月2日の新聞、美術史学会案内ハガキ/⑤金紙/⑥旧箱墨書/⑦明治24年鑑査状/⑧明治38年選擇序文/⑨裂地
来歴
Keio Object Hubでは、試験的な取り組みとして、AI(機械学習)を用いてキーワードを付与し、検索やフィルタリングに使用しています(AIサジェスト)。
初期ローンチ時は、Google Cloud の Vision APIを利用して、各オブジェクトの画像を解析し、自動的にキーワードを付与しています。