清拙正澄筆上堂語
- 人物
-
作者清拙正澄
- 年代
-
制作年 AD14
- タイトル
- セイセツショウチョウヒツジョウドウゴ
- 寸法
- 33.2×33.9
- 材質・技法・形状
- 紙本墨書
- コレクション
- センチュリー赤尾コレクション
- 所管
- 斯道文庫 キャンパス 三田
清拙正澄〈せいせつしょうちょう・1274-1339〉は、鎌倉時代後期に来朝した臨済宗楊岐(ようぎ)派の僧。愚極智慧(ぐごくちえ)の法嗣。嘉暦元年〈1326〉、幕府の執権北条高時〈ほうじょうたかとき・1303-33〉の要請で渡航し、鎌倉・建長寺第22世となる。のち、浄智寺・円覚寺(第16世)に住した。次いで後醍醐天皇の勅により京都に渡り、建仁寺(第23世)・南禅寺(第14世) を歴住した。その後、建仁寺禅居庵に退居し示寂。「棺割(かんわり)の墨跡」(国宝・常盤山文庫蔵)と呼ばれる遺偈を残す。勅諡は大鑑禅師。これは、後醍醐天皇から寺領として田を賜わったことを報告するために上堂(禅寺の住持が法堂の須弥壇に上り説法すること)したときのもの。重量感あふれる整正泰然たる筆致を示す。わが国に来朝後の揮毫(53歳以降)であろう。「朝廷の賜田并びに両序の進退にて上堂す。前仏の性命、後仏の紀綱。須弥山王(しゅみせんおう) 、阿脩羅王(あしゅらおう)の鼻孔に走り入りて直透し、三十三天(忉利天・とうりてん)に上りて驚起す。東斗西に転じ、南辰北に移る。覚えず呵々大笑して云く、尽く大地撮り来たりて一粒の米の如しと。大頭首の領衆、坐禅の知事、請田辧供(しょうでんべんく)せよ、是れ汝諸人。一日の鉢盂(はつう)は両度に湿(うる)わん。且つ道(い)わん、這(こ)の一粒甚の処従り生ずと。王の令已(すで)に行われん。(印「清拙」)」
朝廷賜田并両序進退上堂前佛性命後佛紀綱須弥山王走入阿脩羅王鼻孔直透上三十三天驚起東斗西転南辰北移不覚呵々大笑云盡大地撮来如一粒米大頭首領衆坐禅知事請田辧供是汝諸人一日鉢盂両度湿且道這一粒従甚処生王令已行(印「清拙」)
清拙正澄(せいせつしょうちょう)(1274-1339)は、中国元代の禅僧。嘉暦元年(1326)北条高時の招きにより来日、翌年鎌倉建長寺住持となり、その後浄智寺・円覚寺・建仁寺住持などを歴任。
本作品は、朝廷から所領を下賜されたことと、両序進退(学問修行を指導する西班衆と経営を担当する東班衆の定期的な人事異動)に際しての、住持による法堂における説法である。『清拙和尚語録 』に収められ、それによると元弘3年(1333)12月、京都建仁寺住持に就任した直後のものとわかる。
「常盤山文庫×慶應義塾 臥遊─時空をかける禅のまなざし」展(2023.10 慶應義塾ミュージアム・コモンズ)図録 掲載
朝廷賜田并両序進退上堂
前仏性命、後仏紀綱。須弥山王、走
入阿脩羅王鼻孔、直透上三十三天、
驚起東斗西転、南辰北移。不覚呵々
大笑云、尽大地撮来、如一粒米大。頭首
領衆座禅、知事請田辨供。是汝諸人、
一日鉢盂両度湿。且道、這一粒従甚
処生。
王令已行。 (印「清/拙」)
これまでの禅僧たちの命を受け継ぎ、これからの禅僧たちの手本となるお前たちよ。もしお前たちが、須弥山を走り回って阿修羅の鼻の穴に入り、そのまま山頂の三十三天にまで昇ったら、びっくりして北斗星が東から西へ動き、南極星が北極に移った、としてみよう。しかし私は思わずガハハと笑って言うだろう、そんな大地を全部捕まえてみれば、一粒の米の大きさほどなのだと。首座(修行僧のトップ)よ、皆に座禅させよ、六知事(経営にたずさわる六つの役職)よ、田から得た米で食事を用意せよ。これでお前たちは、毎日二度の食事が保証されたようなものだが、さあ言ってみろ、この一粒はどこで生まれたのか。(その答えは) 帝のご威光は天下にあまねく及んでいるぞ。
「常盤山文庫×慶應義塾 臥遊─時空をかける禅のまなざし」展(2023.10 慶應義塾ミュージアム・コモンズ)図録 掲載
オブジェクトの概要
ライセンスなど
所管・分類など
グループのオブジェクト
OPEN DATADESIGN
Keio Object Hub では、データのオープン化を進めるだけではなく、オープン・データを活用してどのような体験がデザインできるか、さまざまな試みを行っています。
オブジェクトの詳細
識別情報
- タイトル(英題)
- Address at Giving a Sermon by Qingzhuo Zhengcheng
物理的特性
- 重量と数量
-
員数 1幅
- 付属品
- 玉舟宗幡折紙極 極札2、添状4
来歴
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