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平家物語絵巻断簡(巻第2・小教訓)
保元・平治の乱後、平清盛(1118–81)一族は勢力を増し、後白河法皇(1127–92)と側近の貴族たちを脅かす存在となっていった。やがて平氏打倒を企てた鹿ヶ谷の陰謀がおこり、首謀者の1人として、藤原成親(1138–77)が西八条邸に捕らえられた。そこへ清盛の嫡男・重盛(1138–79)が現れ、成親を死罪ではなく配流するようにと進言する。
本図は烏帽子に直衣姿の重盛が西八条邸に参上する場面である。『平家物語』の描写に則り、重盛とその一行は武装していないが、その周りを清盛方の武士たちが取り囲む。また重盛の左下には、巻き上げられた赤旗を掲げる武士が描かれており、この邸宅が平氏の陣営であることを示している。
本図は絵巻を裁って掛軸に改装した断簡であるゆえに、当然ながら原本や同一筆者の別場面本が想定されるが、いまだ見いだせていない。図像の異なる別本に林原美術館本などがある。(小松)
[参考文献]櫻井陽子「資料紹介『平家物語絵巻断簡』」『軍記と語り物』第53号、2017年3月
文字景 —— センチュリー赤尾コレクションの名品にみる文と象」展(2021.4 慶應義塾ミュージアム・コモンズ)図録 掲載
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オブジェクトの詳細
識別情報
- タイトル(英題)
- Part of Didactic Lessons from Volume 2 of The Tale of the Heike
物理的特性
- 重量と数量
-
員数 1幅
- 付属品
- 墨書
来歴
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