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蔵俊僧正画像

興福寺の僧蔵俊の画像。蔵俊〈ぞうしゅん・1104-1180〉は、平安時代末期の法相宗の学僧。若くして興福寺に入り、覚晴(興福寺37世)に師事しながら法相・唯識を学んだ。寺内でも傑出した学僧として数々の著作を残している。左大臣藤原頼長に因明を講じたことでも知られる。晩年は、元興寺別当(治承元年・1177)、権僧都(同2年)を経て、同3年5月には興福寺権別当を歴任している。みずからの修学のかたわら多くの子弟を育成、鎌倉時代初期における法相・唯識の学匠のほとんどが蔵俊の門流であったといわれる。その門弟らの奏上により建保2年〈1214〉に僧正法印大和尚位が追贈された。本幅は、その追贈の宣命を書写した色紙形3枚を上部に貼り付ける。建保2年8月13日、少納言藤原家継が勅使となって、順徳天皇の僧官追贈の宣命が奏じられたことがわかる。上畳を置いた床几の上に坐した蔵俊は、横を向き、大きく口を開いている。論義(法会において、経論の意味を明らかにするために行われた僧侶間の問答議論)に臨んで、弁舌をふるう姿を描いたものであろう。八舌僧正ともいわれた蔵俊を象徴する絵姿である。遺例少ない蔵俊画像として、その資料的価値も高い。
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OPEN DATADESIGN
Keio Object Hub では、データのオープン化を進めるだけではなく、オープン・データを活用してどのような体験がデザインできるか、さまざまな試みを行っています。
オブジェクトの詳細
識別情報
- タイトル(英題)
- Portrait of Priest Zoshun
物理的特性
- 重量と数量
-
員数 1幅
- 付属品
- 外箱、紙札2枚、釈文
Keio Object Hubでは、試験的な取り組みとして、AI(機械学習)を用いてキーワードを付与し、検索やフィルタリングに使用しています(AIサジェスト)。
初期ローンチ時は、Google Cloud の Vision APIを利用して、各オブジェクトの画像を解析し、自動的にキーワードを付与しています。