恵果像

真言宗においては、インドで生まれ中国に伝わった真言密教をわが国に流伝護持した8人の高僧を真言八祖と呼んで崇拝してきた。龍猛(第一祖)・龍智(第二祖)・金剛智(第三祖)・不空(第四祖)・善無畏(第五祖)・一行(第六祖)・恵果(第七祖)・空海(第八祖)の8人である。灌頂(密教において法を受け継ぐ時の儀式)の際に、受者に法脈の継承を自覚をうながすために、この八祖の画像が掛けられることから、多くの作例が伝存するが、八祖像を完存する最古の遺品は神護寺に伝来する8幅(祖本となったのは教王護国寺蔵の真言七祖像)。以来、これが祖本となって同種の画像が描かれた。この恵果の像も、もとは八祖像としてつくられたものの1幅である。恵果〈けいか・746-805〉は、長安の出身で、不空に師事してその正嫡の弟子となり、三朝の国師(代宗・徳宗・順宗の3代が帰依した)と崇められた。また、空海の入唐求法の師でもある。床几に坐し、斜め向きの姿の恵果像。足下には沓と浄瓶が置かれる。さらに、恵果のうしろには侍者である童子の立ち姿が添えられる。白い衣に黒の帯、左手には袈裟を掛けている。画面上部には、白・茶・朱色の3枚の色紙形の区画がもうけられ、草花の下絵の上に、恵果の伝歴を記した本文が書写される。その書風や和様化した相好などから南北朝時代・14世紀の制作であろう。
オブジェクトの概要
ライセンスなど
所管・分類など
グループのオブジェクト
OPEN DATADESIGN
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オブジェクトの詳細
識別情報
- タイトル(英題)
- Portrait of Priest Keika
物理的特性
- 重量と数量
-
員数 1幅
- 付属品
- 巻止/翻字メモ
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