装飾春日版法華経巻第七断簡
日本写経史上、平安時代の中期から後期にかけて、とくに華麗な装飾経が制作された。王朝貴族たちが、写経成仏(法師品)・女人成仏(提婆品)を説く『法華経』の功徳を信じ、さらには、末法思想や浄土思想の流布につれて、人々は末法の恐怖から逃れ、現世の極楽を願い、後世の成仏を祈った。仏の加護を求めるという人々は、『法華経』の利益を信じ、こぞって『法華経』の写経に励み、写経供養が流行することとなった。一人が一巻を担当するのを一巻経、一品ごとを分担するのを一品経と呼んだ。各巻ごとに、これを結縁した宮廷貴族のひたむきな気持ちを反映して、本紙や写経の文字、さらに軸・紐・題簽などに装飾を加え、美の限りを尽くした装飾経が誕生したのである。こうした風潮は鎌倉時代初期まで継承される。当時は、自筆の写経が最大の善根と信じられていた。が、時代の推移とともに、財力の乏しい人々や民衆の願いをかなえるために、版本の写経(摺経)制作が考えられた。平安時代中期から鎌倉時代にそれは盛行する。そのうち、南都・興福寺で印刷・出版された版本が「春日版」呼ばれるもの。その天地の余白に金の大小切箔・金の野毛・金砂子を撒き、金泥で界を引き、華麗さには肉筆の装飾経には劣るものの、そこに籠められた願いは同じ。当時の人々の篤い信仰を示す遺品である。
オブジェクトの概要
ライセンスなど
所管・分類など
グループのオブジェクト
OPEN DATADESIGN
Keio Object Hub では、データのオープン化を進めるだけではなく、オープン・データを活用してどのような体験がデザインできるか、さまざまな試みを行っています。
オブジェクトの詳細
識別情報
- タイトル(英題)
- Detached Segment of Kasuga Version Lotus Sutra Vol.7
物理的特性
- 重量と数量
-
員数 1紙
- 材質・技法・形状
-
材質 天地に金箔、金銀色、金砂子 金泥界
Keio Object Hubでは、試験的な取り組みとして、AI(機械学習)を用いてキーワードを付与し、検索やフィルタリングに使用しています(AIサジェスト)。
初期ローンチ時は、Google Cloud の Vision APIを利用して、各オブジェクトの画像を解析し、自動的にキーワードを付与しています。