公順筆詠草

- 人物
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作者公順
- 年代
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制作年 AD16
- タイトル
- コウジュンヒツエイソウ
- コレクション
- センチュリー赤尾コレクション
- 所管
- 斯道文庫 キャンパス 三田
公順〈こうじゅん・1484-?〉は、室町時代の歌僧。三条西実隆〈さんじょうにしさねたか・1455-1537〉の長男。二男の公条〈きんえだ・1487-1563〉より3歳年上の兄で、12歳のとき東大寺に入り、その住房から西室と称した。明応8年〈1499〉東大寺別当、文亀2年〈1502〉には元興寺別当となる。天文五年〈1536〉後奈良天皇・尊鎮法親王とともに『東大寺大仏縁起』(絵巻)の詞書の執筆に加わっている。和漢の学や有職故実に通じた父実隆の訓育もあってか、公順も和歌・連歌に秀でていた。書においても、父実隆を祖とする三条流(逍遥院流)を掌中にしている。これは、詞書によると、「禅閤(ぜんこう・剃髪した人を指す)」が年頭にあたり、「八十既満」の算賀に懐いをいたす28字の玉章、すなわち七言絶句の詩を作る。公順はその詩の韻を詠み込む和歌を三首詠じ、さらに祝歌一首を添えている。第一首目に、「君が八十、我が五十」とあるところから、公順は当年50歳。つまり、天文3年〈1534〉の正月のものとなり、「禅閤」は、80歳の父、実隆と判明。このとき実隆は、「元日書懐」として「夢幻光陰方八十泥丸一路憶双林定知旧習被春笑猶向鴬花有賞心」の詩を作っている。「いつくしき韻をけがし」とは、この七絶の「十」「林」「心」の文字を和歌の最末尾に詠み込んだことをいう。伝存稀有の遺墨である。「禅閤、歳首、廿八字の玉章をつくりて、八十既満の恩をのべ給へり。やむ事をえず丗一字のやまとことの葉三篇を綴りていつくしき韻をけがしいよいよ宝算を祝し奉れり/公順/いくかへり春を加へん立ちそひて君が八十に我が五十をも/仰ぎても仰がざらめや空にして君守るてふ星の林は/千世も経ん花鴬に誘はれて春をなぐさむ人の心は/祈ぞよ八十路の春に三千年の齢を君が例なれとは」
禅閤歳首廿八字の玉章をつくりて八十既満の恩をのべ給へりやむ事をえず丗一字のやまとことの葉三篇をつゞりていつくしき韻をけがしいよいよ宝算を祝したてまつれり公順いくかへり春をくハへん立そひて君が八十にわが五十をもあふぎてもあふがざらめや空にしてきミまもるてふ星の林は千世もへん花うぐひすにさそはれて春をなぐさむ人の心は祈ぞよやそぢの春にみちとせのよはひを君がためしなれとは
オブジェクトの概要
ライセンスなど
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グループのオブジェクト
OPEN DATADESIGN
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オブジェクトの詳細
識別情報
- タイトル(英題)
- Draft Kaishi By Priest Kojun
物理的特性
- 重量と数量
-
員数 1幅
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