林羅山筆和歌懐紙

- 人物
-
作者林羅山
- 年代
-
制作年 江戸時代(17世紀)
- タイトル
- ハヤシラザンヒツワカカイシ
- 寸法
- 32.6×47.5
- 材質・技法・形状
- 紙本墨書
- コレクション
- センチュリー赤尾コレクション
- 所管
- 斯道文庫 キャンパス 三田
林羅山〈はやしらざん・1583-1657〉は江戸時代初期の儒学者。幕府の儒官を代表する林家の始祖。京都の人。名は信勝、字は子信、通称は又三郎。夕顔巷などとも号した。慶長9年〈1604〉、藤原惺窩の門に入り、翌年、徳川家康に謁見した。同12年、家康の命により剃髪名を道春と改めた。以来、将軍秀忠・家光・家綱に歴任して朱子学を講じ、これを官学へと発展させた。この懐紙は、日ごろ羅山が披読した木版本の影響をうけた有様が歴然とする、特異な書風である。かならずしも能書とはいえないが、真名を主体とした独草体に仮名を交えた筆致は、いかにも手馴れたものである。羅山独自の書の世界を展開している。「「水辺の青柳」ということを詠める和歌/道春/ぬるみそふ春の川水染めつらむ色ものどけき青柳の糸」
詠水辺青柳和歌道春ぬるみそふ春の川水染つらむ色ものどけき青やぎのいと
「林羅山筆元旦試毫」(AW-CEN-000134-0000)に対して、こちらは和歌を詠んだもの。惺窩に比べれば少ないものの、和歌作品も残されており、『羅山林先生外集』(国立公文書館蔵写本)に収められるが、本作品はない。早春、川べりの柳が芽吹いた様子を詠んだ題詠歌で、柳を糸に見立てて、「ようやく暖かくなってきた川の水に染められたのだろうか、春ののどけさを感じさせる緑色になった」と詠む。万葉書(仮名をもとの漢字のままに記すもの)を交えた、三行三字の和歌懐紙の定型を守った書式であるが、全体にかすれ気味で変化に乏しく、「林羅山筆元旦試毫」(AW-CEN-000134-0000)に比べて見応えに欠けるところがある。【翻刻】詠水辺青柳」和歌」道春」ぬるみそふ春の川」水染つらむ色も」のどけき青やぎ」のいと(堀川貴司)「唐様前夜―林羅山とそのコミュニティ」展(2024.1 慶應義塾ミュージアム・コモンズ)図録 掲載
オブジェクトの概要
ライセンスなど
所管・分類など
グループのオブジェクト
OPEN DATADESIGN
Keio Object Hub では、データのオープン化を進めるだけではなく、オープン・データを活用してどのような体験がデザインできるか、さまざまな試みを行っています。
オブジェクトの詳細
識別情報
- タイトル(英題)
- Waka Poem by HAYASHI Razan
物理的特性
- 重量と数量
-
員数 1幅
- 付属品
- 大倉好斎極め札「丙午冬」
来歴
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