装飾法華経断簡(普門品第二十五)
わが国の写経史において、平安時代の中期から後期にかけて、華麗な装飾経が流行した。王朝貴族たちが、写経成仏(法師品)・女人成仏(提婆品)を説く『法華経』の功徳を信じ、さらには、折柄の末法思想や浄土思想の流布にともない、人々は末法の危機と恐怖から逃れるべく、現世の極楽を願い、後世の成仏を祈った。仏の加護を得たいという人々は、『法華経』の利益を信じ、こぞって『法華経』の写経が流行することとなった。1人が1巻を担当するのを一巻経、一品ごとを分担するのを一品経と呼んだ。各巻ごとに、これを結縁した宮廷貴族のひたむきな気持ちを反映して、本紙や写経の文字、さらに軸・紐・題簽などに装飾を施し、美の限りを尽くした装飾経が誕生していったのである。こうした風潮は鎌倉時代初期まで継承された。当時は、自筆の写経が最大の善根と信じられていた。が、平安時代中期以降、宋朝から摺経(版経)の一切経が将来されて以来、わが国独自の木版仏典たる春日版(大和国南都興福寺で印刷・出版された版本)が誕生、鎌倉時代にそのピークを迎える。この断簡の書風には、その版経の影響をみることができる。書風、装飾技法などから、鎌倉時代・13世紀の遺品と推定される。金泥で界を引き、天地に金・銀箔、銀砂子、芒を撤いた装飾料紙に書写された、『法華経』普門品・第二十五の断簡。長い年月の経過により、天地の銀の酸化が進み、黒ずんでいる。
オブジェクトの概要
ライセンスなど
所管・分類など
グループのオブジェクト
OPEN DATADESIGN
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オブジェクトの詳細
識別情報
- タイトル(英題)
- Segment of Lotus Sutra Chapter 25
物理的特性
- 重量と数量
-
員数 1幅
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