宗心発願大般若経巻第三九五
『大般若経(大般若波羅蜜多経)』は、「般若波羅蜜」(完成された最高の智慧)を説く多くの般若経典群の総称で、全600巻から成る。あらゆる仏典中で最大の経典。唐の玄奘〈げんじょう・602-664〉の訳。『法華経』とおなじく経文中に写経功徳があり、この経典を供養するものは諸神によって常に護られると説くことから、わが国においても、奈良時代以後、平安・鎌倉時代と永い間にわたって、しばしば書写されている。とくに平安時代には、紺紙金泥の『大般若経』が数多く書写された記録がある。また、一人でこの『大般若経』一部600巻を完写する功徳を遂げた者もあった。この写経もその一筆大般若経の遺品である。今日約20巻が確認され、それらの奥書には承安5年〈1175〉から養和2年〈1182〉の年紀が見える。各巻に見られる「願主宗心」の記載、また巻第七の奥書に「承安五年乙未三月一筆奉書写所也」とあることにより、僧宗心の発願でしかも宗心の一筆大般若経であることを知る。さらに、いくつかの巻末に「師長親類結縁人皆共往生一仏土」という記載があり、治承3年〈1179〉に出家した藤原師長〈ふじわらもろなが・1138-1192〉の結縁供養した写経ではなかったかと想像される。本巻の巻末には「承安五年八月八日……」の奥書が見える。承安5年は、7月28日に改元して安元元年と元号が変わるはずなのだが、この時まだ改元したばかりで、その認識が薄かったのであろう。みずからの力の限りを尽くして、「法界の衆生、平等の利益の為なり」(全世界の人々が、等しく仏果を得るため)という悲願を立てて、ことさら「師長親類結縁人」の極楽往生を祈願した大写経事業であったのである。料紙は、何の装飾をもほどこさない素紙。その筆跡は、通行の類型的な写経体とは違った、自由でのびやかな書風が、見る眼に快い。
オブジェクトの概要
ライセンスなど
所管・分類など
グループのオブジェクト
OPEN DATADESIGN
Keio Object Hub では、データのオープン化を進めるだけではなく、オープン・データを活用してどのような体験がデザインできるか、さまざまな試みを行っています。
オブジェクトの詳細
識別情報
- タイトル(英題)
- Dai-Hannyakyo (Sutra of Great Wisdom) Vol.395
物理的特性
- 重量と数量
-
員数 1巻
- 付属品
- 桐箱
Keio Object Hubでは、試験的な取り組みとして、AI(機械学習)を用いてキーワードを付与し、検索やフィルタリングに使用しています(AIサジェスト)。
初期ローンチ時は、Google Cloud の Vision APIを利用して、各オブジェクトの画像を解析し、自動的にキーワードを付与しています。