クラプ(祖霊像)
主に葬送儀礼用に制作使用されたもので、故人の肖像である。ただし、婚礼時の通過儀礼に用いられたこともあったという。各資料には年齢や性別、装飾にバリエーションがある。展示資料は男性像と女性像の2 体で、後者は陰唇の形状から成人女性像と考えられる。発達した眼窩上隆起は現地の人々を彷彿させる。男性像にみる顔の輪郭や口の表現はウリ像に類似し、腹部の前で手を組む姿勢もウリ像のなかに類例を探すことができる。指や毛髪、腕輪や首飾りといった細部も表現され、褪色摩耗が進行しているものの、顔面や胴体は彩色されていたことが分かる。製作時の像には、いま以上に見るものを惹きつける力があったにちがいない.1930 年代以降は、「珍奇」な土産物として西欧からの旅行者を喜ばせたことが知られている。
「文学部125年記念企画展 語り出す南洋の造形:慶應大所蔵・小嶺磯吉コレクション」展示冊子(pp.5-6)より
クラプ像の製作は良質な⽯灰岩が採掘できるロッセル⼭脈周辺で⾏われていた。葬送儀礼における故⼈の肖像として使⽤したほか、婚姻儀礼での使⽤例も記録される。⼥性や⼦供はクラプ像を⽬にすることは許されなかったという。儀礼⼩屋にて彩⾊・展⽰されたのちに破棄、もしくは⻄欧の商⼈に売却された。1870年-1910 年代にかけて集中的に蒐集されたが、キリスト教の布教活動の拡⼤によりクラプ像を使⽤する儀礼は衰退の⼀途を辿った。その後はナマタナイ村落周辺で⼟産物として⽯灰岩像の製作が⾏われたことが知られる。⼩嶺の活動時期より、当コレクションに含まれるクラプ像は儀礼⽤具から⼟産物へと変質する過渡期に蒐集されたと思われる。ニューギニア⼟俗品図集に掲載される、おそらく⼩嶺⽒が経営していた商館で撮影されたと思われる写真には慶應大コレクションに含まれるウリ像、マランガン柱像とともに、これら2 体のクラプ像が写し込まれている。
これまでに、約500 体のクラプ像が博物館・美術館、個⼈のコレクションに現存することが確認されている。その⼤半が⼟産物として製作されたものと考えられ、中には⻄欧⼈を模したと思われる像も存在する。また同様の⽯灰岩製の像はセントジョージ⽔道を挟み対岸に位置するニューブリテン島ガゼル半島の秘密結社イニエット Iniet によって製作されたことが知られている。
©臺浩亮
オブジェクトの概要
ライセンスなど
所管・分類など
グループのオブジェクト
OPEN DATADESIGN
Keio Object Hub では、データのオープン化を進めるだけではなく、オープン・データを活用してどのような体験がデザインできるか、さまざまな試みを行っています。
オブジェクトの詳細
識別情報
- タイトル(その他)
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現地名 kulap
- 分類
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資料分類 彫像 Figure地域 メラネシア Melanesia
物理的特性
- 材質・技法・形状
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材質 石灰岩
参考文献
Keio Object Hubでは、試験的な取り組みとして、AI(機械学習)を用いてキーワードを付与し、検索やフィルタリングに使用しています(AIサジェスト)。
初期ローンチ時は、Google Cloud の Vision APIを利用して、各オブジェクトの画像を解析し、自動的にキーワードを付与しています。