祖霊像(トコベイ)
小ぶりの木製座像で、大きさもほぼ同じである。性差ははっきりしないがおそらく、男女一対であろう。男性器を模したと思われる突起の有無、腹部の膨らみ具合、体格差から推測した。真珠母貝片を嵌め込んだアーモンド形の眼が際立つが、なんと言っても最大の特徴は、しゃがみこむ蹲踞(そんきょ)姿勢をとっている点だ。ミクロネシア西部の島々に類似した造形物が広く認められるが、トコベイ人形の起源とされるパラオ諸島トビ島では、座る姿勢は権威の象徴であり、しゃがむ姿勢は生と死の象徴だとされる。トビ島では、死後の世界が巨大なカヌーに見立てられる。トコベイ人形は死者の魂をそこに導き、守護すると信じられてきた。それゆえ、舟葬に使われる。他にも、トコベイ人形に悪霊を託して島から流すカヌー儀礼に用いられる。トビ島以外の島々に目を転じると、多産の象徴や祖霊といった意味を持つトコベイ人形が知られれている。20世紀初頭の日本統治期には、パラオの代表的な土産品として人気を博した。
慶應義塾大学文学部民族学考古学研究室『2016年度 慶應義塾大学 民族学考古学資料展『人を模る造形の世界―南洋・東洋・中近東―』』民族学考古学研究室 pp.6-7
©早川茉優
蹲踞姿勢をとる小型の木製人形。性別ははっきりしない。暗色の硬木が使用されており、保存状態は良い。欠けや損傷は見受けられず、眼球に土が付着している程度。アーモンド型に切り出された真珠母貝片が眼窩に嵌め込まれており、その上に炭で黒目が描かれている。鼻、唇、目、頬など細かな凹凸が丁寧に仕上げられている。頭頂部は平坦で腕が短い。20世紀に入って、西ミクロネシアの島々から数多くのトコベイ人形が収集された。島ごとに外見が少しずつ異なり、使用目的も様々だ。祖先を模った像で、子孫の繁栄や豊作祈願、魔除けのための特別な木像であり、交易品でもあった。
慶應義塾大学文学部民族学考古学研究室『2016年度 慶應義塾大学 民族学考古学資料展『人を模る造形の世界―南洋・東洋・中近東―』』民族学考古学研究室 pp.4-5
©渡辺麻里江
オブジェクトの概要
ライセンスなど
所管・分類など
グループのオブジェクト
OPEN DATADESIGN
Keio Object Hub では、データのオープン化を進めるだけではなく、オープン・データを活用してどのような体験がデザインできるか、さまざまな試みを行っています。
オブジェクトの詳細
識別情報
- タイトル(その他)
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現地名 Tokobei
- 分類
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資料分類 彫像 Figure地域 ミクロネシア Micronesia
物理的特性
- 材質・技法・形状
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材質 木、貝片、植物種子
参考文献
Keio Object Hubでは、試験的な取り組みとして、AI(機械学習)を用いてキーワードを付与し、検索やフィルタリングに使用しています(AIサジェスト)。
初期ローンチ時は、Google Cloud の Vision APIを利用して、各オブジェクトの画像を解析し、自動的にキーワードを付与しています。