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松花堂昭乗筆書状

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人物
年代
制作年 AD17
タイトル
ショウカドウショウジョウヒツショジョウ
コレクション
所管
斯道文庫 キャンパス 三田
資料番号
AW-CEN-001932-0000
ライセンス
CC BY 画像ライセンス
クレジット表記

慶應義塾(センチュリー赤尾コレクション)

URL
基本分類
美術
AIタグ
手書き 木材 フォント アート 矩形

松花堂昭乗〈しょうかどうしょうじょう・1584-1639〉は、江戸時代初期の真言宗の僧侶。法名は昭乗、名は式部。惺々翁(せいせいおう)とも号した。京都男山滝本坊実乗(たきもとぼうじつじょう)の弟子となり、その亡き後、住持となったが、のちこの坊(庵宝)を弟子に譲り、松花堂を建てて移り住んだ。高徳に加えて風雅な人柄が世人に敬慕され、関白近衛信尋〈このえのぶひろ・1599-1649〉をはじめ、石川丈山〈いしかわじょうざん・1583-1672〉、江月宗玩〈こうげつそうかん・1574-1643〉、沢庵宗彭〈たくあんそうほう・1573-1645〉ら儒者、禅僧など、当時の名士との交友深く、この時代の文化人としては第一級の人物であった。書は青蓮院尊朝(そんちょう)法親王について御家流を学んだが、初祖弘法大師(空海)を渇仰して、ことに大師(だいし)流の書を好んだ。それらを習熟して、晩年には松花堂流(または滝本流)と呼ばれる流麗瀟酒な書風を完成した。これは昭乗による書状(手紙)。折りたたんだ手紙の外側に宛名が書かれていた。が、表装に際してその部分を切り離したので、誰に宛てたものかは不明。しかしながら、その書きぶりから、ごく親しい相手に申し送ったものと見られる。紅柿(紅く熟した柿)一籠に添えて和歌を送られたのに対して、折柄、揮毫のものに取りかかっていたので、御礼の手紙を託すことができなかった、と詫びている。改めての礼状が、この手紙。返歌一首は、狂歌に詠んでいる。「紅柿」の「柿」を「柿本人麿」にもじって、その諧謔ぶりを発揮している。自坊松花堂に移住した寛永14年〈1637〉以降、最晩年の筆跡である。「先刻は、思し召し寄せの御懇翰、殊に見事無類の紅柿一籠下され、過分忝く存じ奉り候。御礼申し尽くしがたく存じ奉り候。折柄、淀より客を得、書物に書きかかり、返答だに申し上げず候。更に、本意にあらず候。先日の御来訪忝く存じ奉り候。其の折柄も客を得、御意を得ず、千々万々、御理申し上げ仕らず候。存の外、普請に取り紛れ迷惑仕る事に候。一、御歌承る事、誠に以って察し奉り候。詠感大方ならず候。取り敢えず返し、和歌の浦に嬉し(=熟れの掛詞)かかりし言の葉は色もあかし(明石・紅し)の柿の本哉誠にまことに人麿も恥じ給うべからず存じ奉り候。如何様、不図、参を以って候。積鬱、御意を得べく候。其の節、万々、御礼申し上ぐべく候。恐惶頓首。二十八日。松花堂」

先刻思召寄御懇翰ことに見事無類之紅柿一籠被下過分恭奉存候御礼申尽しかたく奉存候折から従淀得客書物ニ書かゝり返答たに不申上候更ニ非本意候先日御来訪忝奉存候其折からも得客不得御意千々万々御理不仕申上候存之外普請ニ取紛迷惑仕事候一御哥承事誠以奉察候詠感大かたならす候不取敢返し和歌のうらに熟しかゝりしことの葉ハ色もあかしの柿の本哉誠ニ/\人麿もはち給ふへからす奉存候如何様不図以参候積鬱可得御意候其節万々御礼可申上候恐憧頓首廿八日松花堂

ライセンスなど

資料番号
AW-CEN-001932-0000
ライセンス
CC BY
クレジット表記

慶應義塾(センチュリー赤尾コレクション)

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所管
斯道文庫
キャンパス 三田
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基本分類
美術

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オブジェクトの詳細

識別情報

タイトル(英題)
Letter by Shokado Shojo

物理的特性

重量と数量
員数 1幅

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タイトル(英題)
Letter by Shokado Shojo

物理的特性

重量と数量
員数 1幅