沃懸地螺鈿宝相華文鏡箱
蓋表には、沃懸地に螺鈿で宝相華文様を表し、口縁に錫の置口を巡らせた鏡箱。貴族女性の化粧道具である櫛笥中のひとつであったが、他の調度は失われ鏡箱のみが残ったもの。沃懸地とは、金または銀の鑢粉を密に蒔いた地蒔を指し、そそぎかけるという意味からこの名称がある。金地に白く輝く螺鈿が映え、鎌倉時代らしい好みが現れている。往時の雅な貴族文化を彷彿とさせる。(松谷)
文字景 —— センチュリー赤尾コレクションの名品にみる文と象」展(2021.4 慶應義塾ミュージアム・コモンズ)図録 掲載
平安朝以来、貴族女性の理容調度として、櫛笥(くしげ)は必須のものであった。蒔絵や螺鈿で美しく飾った手箱の中に、鏡や櫛・櫛払(くしはらい)・笄(こうがい)・白粉箱・紅皿などを収納していた。この鏡箱は、円形の銅鏡を収めるための容器として作られたもので、櫛笥のセットの一つであった。が、ほかのすべてを失って、いまこの鏡箱を残すにすぎない。沃懸地というのは、蒔絵の技法の一種で、粗い金銀粉を広く密に蒔いて研ぎ出す手法。その上に螺鈿をほどこす沃懸地螺鈿は、鎌倉時代に流行した。まず、木地の上に螺鈿で宝相華(ほうそうげ・仏教における想像上の蔓植物)の文様をはめこみ、その上に漆を塗り、金粉を流しかけて磨きあげる。まことに典雅な美しさをかもしだす。『弁内侍日記』(建長3年〈1251〉条)に「いかけぢにほら貝をすりたる御厨子、御手箱二つ」とあるが、この鏡箱のような蒔絵技法で作られたものであっただろう。当時におけるみやびな貴族生活を彷彿とさせる。
オブジェクトの概要
ライセンスなど
所管・分類など
グループのオブジェクト
OPEN DATADESIGN
Keio Object Hub では、データのオープン化を進めるだけではなく、オープン・データを活用してどのような体験がデザインできるか、さまざまな試みを行っています。
オブジェクトの詳細
識別情報
- タイトル(英題)
- Mirror Case with Hosoge Flowers
物理的特性
- 重量と数量
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員数 1合
- 材質・技法・形状
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材質 螺鈿 沃懸地 裂地張(内側)
- 付属品
- 香木
来歴
Keio Object Hubでは、試験的な取り組みとして、AI(機械学習)を用いてキーワードを付与し、検索やフィルタリングに使用しています(AIサジェスト)。
初期ローンチ時は、Google Cloud の Vision APIを利用して、各オブジェクトの画像を解析し、自動的にキーワードを付与しています。