踊尽草紙絵巻

色とりどりの衣装を着飾って群舞する風流踊り(ふりゅうおどり)は、室町時代末期から江戸にかけて、京都を中心に全国的に広がった。もともと風流とは、雅やかな衣装・持ち物などで華やかに飾り立てること。神社の祭礼で鉾や山車が綺羅を飾り、行列の人たちが派手な衣装を競った。やがて笛・太鼓・鐘などで囃し、歌唱が加わり、手振りの美しい踊りをともなう芸能が流行した。盆踊りの初期形態といわれる。その様子は、近世初期の洛中洛外図屏風・遊楽図屏風や風俗絵巻などにも多く描かれている。この「踊尽草紙絵巻」1巻は、そうした風流踊りの中から8種類の踊りを描いたもの。金の揉箔を一面に散らした装飾料紙に、極彩色の絵筆が駆使されている。また、それぞれの絵様の上部に、その囃言葉や踊りを説明する歌詞が書き添えられている。(紙継ぎの誤りよる錯簡がある。)1.唐子踊り:秋祭りの際に神社に奉納される稚児舞。朝鮮風の衣装をまとった2人の男子が歌に合わせて踊るもので、朝鮮通信使についてきた小童が踊ったものを真似たものという。2.小町踊り:七夕の日に、美しく着飾った少女たちが、歌いながら町中を踊り歩くもの。3.住吉踊り:大坂・住吉神社において、五穀豊穣を願う神事の一つ、田植え祭りで舞われる踊り。4.小切子踊り:小切子は竹製の民俗楽器。長さ20~30センチの竹筒2本を持ち、打ち合わせながら踊る。5.若衆踊り:元服前の若衆が踊る。6.唐人踊り:唐子踊りと同じく朝鮮通信使が起源とされるが、長崎に渡来した中国人の踊りが取り入れられているともいう。中国風の装束を着て踊る。7.懸踊り:村や町などの共同体間で踊りを掛け合う、あるいは踊りを送り継いでいく形式の踊りが起源。厄神を踊りによって囃し立て、村境から送り出し、次の村はこれを受けて踊り廻し、さらに次の村へと踊り継いだ。悪霊追放、豊作祈願などのための踊りでもあった。8.差物踊り:差物・旗差物(戦陣における目印の旗で、家紋のはいった幟)を持って踊る。雨乞いの踊りで知られる「芭蕉踊り」と同義か。「芭蕉踊り」では、芭蕉の葉に見立てた差物を背負って踊る。
からこをどりたいこかつこてん/\からことうちおさまりしおほん世のめぐみもひさかたの雲井はるかにふきあぐるふえのねことにおもしろくをどりしすがた見事さよ心もさこそいさむらん
オブジェクトの概要
ライセンスなど
所管・分類など
グループのオブジェクト
OPEN DATADESIGN
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オブジェクトの詳細
識別情報
- タイトル(英題)
- Picture Scroll of Comprehensive Dance Styles
物理的特性
- 重量と数量
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員数 1巻
Keio Object Hubでは、試験的な取り組みとして、AI(機械学習)を用いてキーワードを付与し、検索やフィルタリングに使用しています(AIサジェスト)。
初期ローンチ時は、Google Cloud の Vision APIを利用して、各オブジェクトの画像を解析し、自動的にキーワードを付与しています。