白描平治物語絵巻
保元元年〈1156〉7月に起こった「保元の乱」から3年後の平治元年〈1159〉12月に引き起こされた「平治の乱」に取材した絵巻。平治元年12月、藤原信頼・源義朝らが、内裏を占領して藤原通憲を殺す。つぎに、平清盛が信頼・義朝らを破り、信頼を六条川原に斬って終戦となる。この物語を絵巻にした「平治物語絵巻」は、鎌倉時代・13世紀の作品が最古の原本として知られる(ボストン美術館・静嘉堂文庫・東京国立博物館蔵ほか)。が、その後もしばしば絵巻に描かれ、とくに室町時代末期から江戸時代にかけて流行した絵草子(奈良絵本)にも遺例が多い。本巻は、「六波羅合戦巻」の白描模本。清盛の六波羅邸の門前での源平の合戦、死を覚悟した義朝に東国落ちを勧める鎌田正清、退却する義朝を援護する源氏の軍勢、信頼・義朝の宿所焼き討ちの場面からなる。この巻は、江戸中期には原本の所在を失い、白描の模本が数本伝わるに過ぎない存在であった。が、色紙形に切断された14葉の残欠として伝来していることが確認されている(大和文華館ほか蔵)。ところが、この白描模本の巻頭には、「光信筆禁裏寛永拾五極月日内記」の書き付けと「住之江文庫」(住吉家伝来の文書・典籍に捺される)の朱文方印が捺されている。また、巻頭紙背には、「保元平治合戦」とある。すなわち、寛永15年〈1638〉12月、禁裏御所から借り出した土佐光信が描いたと伝える「保元平治合戦」絵巻を「内記」すなわち住吉如慶〈すみよしじょけい・1599-1670〉が模写したものではなかったか。『徳川実紀』有徳院殿(吉宗)御実紀付巻十六(国史大系本)に見える「松平出羽守宣維が伝来せし土佐光信のゑがきし保元平治物語の画」、あるいは、屋代弘賢〈やしろひろかた・1758-1841〉の『輪翁画譚』(『日本書画苑』2所収)に見える「(文化11年=1814)先月廿六日松江侍従の許にて古銅器及び古書画を見たり……土佐光信筆平治物語絵詞の零本、六波羅行幸一巻……」の記録との関連性を示唆する模本として興味深い存在といえる。
オブジェクトの概要
ライセンスなど
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グループのオブジェクト
OPEN DATADESIGN
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オブジェクトの詳細
識別情報
- タイトル(英題)
- Heiji Monogatari Emaki
物理的特性
- 重量と数量
-
員数 1巻
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