鼠の草子絵巻断簡

鼠草子は、室町時代に親しまれた御伽草子のひとつで、鼠(男)と女との怪婚譚を描く。御伽草子のなかでは異類物に分類される。鼠の権頭が、畜生道の世界から逃れるべく清水へ祈願の参詣、そこで美しい姫君と巡り合う。清水観音の引き合わせによって2人はめでたく結ばれる。幸せな生活を送っていたが、自分の本性が鼠であることが露見、妻に逃げられてしまい、自らは出家剃髪して高野山に入るという話。この断簡は、去っていった妻の形見の品々を眺め、悲嘆にくれながら歌を詠む権頭を描く。背景はなく、帯、琴、玉手箱、着物、鏡などの調度品の余白にそれぞれにちなむ歌が書き込まれる。着物の文様、琴の木目など細部に気を配った描写は、職業画家の手になることを示唆する。また、鼠草子絵巻の伝本は数多く、サントリー美術館をはじめ、天理大学附属図書館、東京国立博物館、ハーバード大学サクラー美術館(米国)などの優品が知られる。
ごんのかみ(右)うきことをひとへにぞおもふみへのをびめぐりあはむもしらぬ身なれば(中上)いまとてもかはらぬ庭の松風をしらべしことはむかしなりけり(中中)うら嶋かそのいにしへのたまてばこあけてののちぞおもひしらるゝ(中下)ながき世をむすびこめつるもとゆひを見るにつけてもなくなみだかな(左上)とにかくになくよりほかのことぞなきこの人がらを見るにつけても(左下)おもかげのとまるならひのありとせばかゞみをみてもなぐさめてまし
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OPEN DATADESIGN
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