小野お通筆柿本人麿自画賛

- 人物
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作者・賛者小野お通
- 年代
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制作年 AD16
- タイトル
- オノノオツウヒツカキノモトノヒトマロジガサン
- 材質・技法・形状
- 紙本墨画
- コレクション
- センチュリー赤尾コレクション
- 所管
- ミュージアム・コモンズ キャンパス 三田
これは、画・賛ともに小野お通〈生没年未詳〉筆の柿本人麿自画賛である。歌仙信仰の長い歴史の中で、柿本人麿は歌道の聖として崇められ、人々からひときわ高い信仰を集めてきた。以来、人麿を祀る人麿影供(人麿供とも)が生まれた。これは、歌会において、床に人麿の画像を掛け、歌聖柿本人麿を供養する儀礼で、歌道の向上を願い、あるいは歌会の成功を祈ったのである。平安時代・12世紀から起こった風習である。この画像も、こうした影響下で描かれたもの。ふつうは、大和絵の手法による極彩色の画像が好まれた。が、この画像は、柿本人麿(丸)像を文字絵に描いた略画。烏帽子と線描の顔貌に、狩衣姿の肩のあたりから胸にかけて「柿」の字。筆を持つ右手を「本」の草書体。右足と左足、指貫(袴)の姿を「人」字と「丸」字をもってあらわしている。あわせて柿本人麿の坐像に完成させている。筆者の小野お通は、『浄瑠璃物語』(十二段草子)の作者の仮託される女性で知られる。が、その出自・伝歴については不詳の部分が多く、織田信長・豊臣秀吉あるいは秀吉の御台の侍女、さらには、東福門院に仕えたともいう。また、小野正秀の娘で、和歌を九条稙通に学び、秀吉の夫人杉原氏に仕えた女性とする説も有力である。いずれにしても、共通するのは、かの女が詩歌・管弦・書画とあらゆる才能に恵まれた才媛であったところである。ことに書道においては、「お通流」の祖として早くからその名は喧伝されてきた。本図の賛の書風がそうである。見えるように、繊細かつ鋭い用筆で、きわめて個性的な筆法が特徴である。図上の賛は、柿本人麿の代表的詠歌で、『古今和歌集』(巻第九・羇旅歌)に収められる。
ほの/\とあかしのうらの朝霧にしまかくれ行舟をしそおもふ 小野氏つう女書
オブジェクトの概要
ライセンスなど
所管・分類など
グループのオブジェクト
OPEN DATADESIGN
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オブジェクトの詳細
識別情報
- タイトル(英題)
- Portrait of Kakinomoto no Hitomaro by Ono no Otsu
物理的特性
- 重量と数量
-
員数 1幅
- 付属品
- メモ3枚
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