渡唐天神像
左大臣藤原時平の讒訴によって、配所の筑紫国(福岡県)太宰府に左遷、同地で不遇の死を遂げた菅原道真〈すがわらのみちざね・845-903〉の怨霊を鎮めるためにおこった天神信仰は、長い歴史の中で多くの絵画遺品を生み出した。天神画像は、礼拝像として描かれた道真の絵姿で、その形式は、束帯天神(笏を手に帯剣した文官の正装である束帯姿で描かれるもの)と、渡唐天神(冠をつけ中国の道服姿で梅の一枝を手挟んで立つもの)とに大きく二分できるが、典拠とした説話や、背景となった天神信仰の性格の変容などによって、さまざまなヴァリエーションがある。これは、渡唐天神像の1つ。渡唐天神は、天神信仰が禅宗と結びついて生まれたもので、博多の崇福寺に出現して聖一国師(円爾弁円〈えんにべんえん・1202-80〉)に禅を問うた天神が、国師の薦めにより、宋・徑山の仏鑑禅師(無準師範〈ぶじゅんしばん・1178-1249〉)のもとに一夜のうちに渡って法衣を授けられたという説話にもとづく図様(『両聖記』応永元年〈1394〉ころ成立)である。本図は、仙冠・道服を着け、袈裟袋を左肩から右腰に懸けて、拱手(手を前で組む)し、梅の一枝をたずさえて立つ、正面向きの典型的な渡唐天神像である。道服の裾が広がっているのが特徴である。左下端に絵師の雅印とおぼしき壺形の印が捺されているが、印面が不鮮明で判読できず、特定できない。狩野派の絵師の手によるものか。
オブジェクトの概要
ライセンスなど
所管・分類など
グループのオブジェクト
OPEN DATADESIGN
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オブジェクトの詳細
識別情報
- タイトル(英題)
- Image of Tenjin
物理的特性
- 重量と数量
-
員数 1幅
- 付属品
- 巻止め
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