図像抄断簡月天図

仏・菩薩・天・明王など諸尊の姿形・印相を線描した画像を集成した図像集は、仏像彫刻や仏画のよりどころとして重要な役目を果たす。もともと、インドや西域などから中国・日本に仏教が伝来する際に、仏像の像容を伝える手段として発達したもので、とくに密教では、その奥義を師資相承する場合に、経典・典籍・文書などと並んで法流の証明として伝承された。現在では作例の伝わらない尊像も収められており、仏教美術研究の上で、不可欠の資料として重宝される。平安時代後期(12世紀初)になって、図像の研究が進み、さまざまな図像集が編纂されたが、その最古の図像集が、仁和寺の恵什(えじゅう)編纂の『図像抄』(10巻本)である。本図は、その転写本の断簡で、月天の部分。天部の最巻末部分に当たる。月天の梵号・種子・三形・印・真言・形像を説明、そしてその図像を描き、さらに彩色をほどこしている。末尾に「延慶二年六月廿五日於仁和寺真光院書写了金剛仏子印玄生年卅二次年七月十三日校了」の識語が書写される。延慶2年〈1309〉6月に仁和寺の金剛仏子(密教の教えを奉じ、入壇・潅頂を済ませた僧)印玄が書写した次第を知る。年紀を明らかにする図像抄の断簡として貴重な存在である。
月天梵号種子三形白瓶印如前梵天印伹作掌中有月絮白想真言唵戦捺羅去也娑縛訶形像胎図云赤髪右手当腰側持杖上半月左舒掌微屈中名小捐掩胸乗三鵞袈裟前端繋肘従妳下垂延慶二年六月廿五日於仁和寺真光院書写了金剛仏子印玄生年卅二次年七月十三日校了
オブジェクトの概要
ライセンスなど
所管・分類など
グループのオブジェクト
OPEN DATADESIGN
Keio Object Hub では、データのオープン化を進めるだけではなく、オープン・データを活用してどのような体験がデザインできるか、さまざまな試みを行っています。
オブジェクトの詳細
識別情報
- タイトル(英題)
- Gatten (Candra)
物理的特性
- 重量と数量
-
員数 1幅
- 付属品
- 目録切抜(解説版重要文化財)
Keio Object Hubでは、試験的な取り組みとして、AI(機械学習)を用いてキーワードを付与し、検索やフィルタリングに使用しています(AIサジェスト)。
初期ローンチ時は、Google Cloud の Vision APIを利用して、各オブジェクトの画像を解析し、自動的にキーワードを付与しています。