五大明王像

不動明王(ふどうみょうおう。前方に矜羯羅〔こんがら〕童子・勢多迦〔せいたか〕童子の2童子を置く)を中心として、下方左右に降三世(ごうざんぜ・右下)と軍荼利(ぐんだり・左下)、上方左右に金剛夜叉(こんごうやしゃ・右上)と大威徳(だいいとく・左上)の5つの明王を1幅にまとめて描く五大明王像である。これは、古来、毎年正月8日から14日までの7日間、教王護国寺(きょうおうごこくじ=東寺)の長老が阿闍梨として参内し、宮中の真言院にて鎮護国家・玉体安穏・五穀豊穣などを祈る加持祈祷の修法の本尊として用いられてきた。もともとは個々に成立したが、唐の不空〈ふくう・705-774〉の時代に、金剛界五仏(五智如来=仏の五種の智恵)の教令輪身(済度しがたい衆生を救うために、諸仏が方便で現した忿怒の姿)として組み合わされ、1組の尊像となった。とくに平安時代に入ると、朝廷や貴族を中心にこの信仰が流行し、五大明王は壇をつらねて修する五壇法の本尊として、息災(災いを除く)・増益(幸福を招く)・調伏(悪魔を払う)のために祀られた。五尊いずれも火焔光背を背にして、中尊の不動明王は、岩座を意匠化した瑟々座(しつしつざ)に結跏趺坐する。降三世は大自在天夫妻を踏み敷き、軍荼利・金剛夜叉は片足を蹴り上げる姿勢に、さらに、大威徳は6足をもって水牛に乗る形に描かれる。ふつう、このような大きな仏画は、絹布3枚を縦に縫い合わせて描かれる。が、本図は、珍しく大幅の絹地1枚に描かれる。こうした作品は稀有で類例がない。五大尊がそれぞれ雄渾な姿で描かれる。中央の不動明王の手に取る剣や持物を描くに際し、截金(きりかね)の技法が駆使されている。華麗な彩色、金色の截金の輝きが、この仏画を一層華やかなものにしている。
オブジェクトの概要
ライセンスなど
所管・分類など
グループのオブジェクト
OPEN DATADESIGN
Keio Object Hub では、データのオープン化を進めるだけではなく、オープン・データを活用してどのような体験がデザインできるか、さまざまな試みを行っています。
オブジェクトの詳細
識別情報
- タイトル(英題)
- Images of Five Buddhist Deities
物理的特性
- 重量と数量
-
員数 1幅
- 付属品
- 太巻/二重箱
来歴
Keio Object Hubでは、試験的な取り組みとして、AI(機械学習)を用いてキーワードを付与し、検索やフィルタリングに使用しています(AIサジェスト)。
初期ローンチ時は、Google Cloud の Vision APIを利用して、各オブジェクトの画像を解析し、自動的にキーワードを付与しています。