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知譜拙記 2巻
金紙の題簽に「知譜拙記」(上欠)とありますが、『諸家知譜拙記』が正式名称です。入手しやすく近代までよく利用された公家系図集成で、現在でも『公卿諸家系図 諸家知譜拙記』(続群書類従完成会、1988)等の翻刻もあるほどです。この本は、土橋定代撰の版本を速水常房(1700ー1769)が校正して刊行した、『改正増補諸家知譜拙記』の必要部分を、携帯に便利な大きさに書写しています。下冊末に、下川脩之助書写の本を、安政4年(1857)に校正したことが、古筆家12代了悦(1831ー1894)と思われる筆跡で書き込まれています。日頃鑑定活動で愛用されていたことを、慶応4年(1868)に新製した帙の痛みが伝えてくれます。栞としていたものか、貞享4年(1687)の東山天皇即位式で宣命使を務めた、礼服・礼冠姿の東園基量(1653ー1710)の 、座像の正面と背面を、紙の表裏に極彩色で描いた、小さな紙片が上冊に挟み込まれていました。即位式当時のものである可能性があり、小さな大発見と言えそうです。(佐々木)
「書を極めるー鑑定文化と古筆家の人々」展(2022.4 慶應義塾ミュージアム・コモンズ)図録 掲載
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オブジェクトの概要
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グループのオブジェクト
OPEN DATADESIGN
Keio Object Hub では、データのオープン化を進めるだけではなく、オープン・データを活用してどのような体験がデザインできるか、さまざまな試みを行っています。
オブジェクトの詳細
識別情報
- グループ
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古筆本家資料
グループ内番号 セコ典011
物理的特性
- 重量と数量
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員数 2冊
Keio Object Hubでは、試験的な取り組みとして、AI(機械学習)を用いてキーワードを付与し、検索やフィルタリングに使用しています(AIサジェスト)。
初期ローンチ時は、Google Cloud の Vision APIを利用して、各オブジェクトの画像を解析し、自動的にキーワードを付与しています。