ローマ帝国軍人の退役証明書(ローマ、160年)

青銅版に刻まれたラテン語の証明書
ローマ帝国の補助部隊で26年間の任期を勤め終えた属州兵には、退役にあたって市民権が与えられるが、この優雅な大文字で刻まれた2枚の青銅製の板はその証明書である。市民権は、その子供たちに完全なローマ市民権が与えられるように、退役兵の現在あるいは将来の配偶者にも一人に限り与えられる。偽造を防ぐために証明書は2枚セットになっている。1枚目は外面と内面の両方に同一の内容(証明書本文と取得者の氏名)が記されていて、2枚目は内面に日付と取得者氏名、外面には証人の一覧が記されている。2枚の青銅版は、穴に紐を通してひとつに束ねられて封印され、取得者の資格を確認する必要が生じたときには、官吏が開封して内側の記述と一致するかを確かめることとなる。こうした証明書は多数存在したと思われるが、現存するのは帝政初期から3世紀までに発行された360点ほどである。本展示品は、2枚共に本来の姿をとどめている稀有な例で、160年2月7日に、トラキアのフィリッポポリス(現在のブルガリアのプロフディフ)出身のPrilus の息子でPublius Lucretius Firmusという人物に交付されたものである(McLynn, pp. 18–25)。(TM)
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オブジェクトの詳細
識別情報
- タイトル(英題)
- Bronze military diploma (Rome, 160)
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