Object
紺紙金字法華経断簡(譬喩品第三)

紺紙に銀泥で界を引き、金字で『法華経』を書写した断簡。もとは巻子本。国家事業として行われた奈良時代の写経は、平安時代に入ると次第に皇族・有力氏族主導に変化して、同時に写経の目的が、故人の追善の滅罪菩提・極楽往生の欣求、あるいは現世における利益へと変貌する。そこで、「写経功徳」や「女人成仏」を説く『法華経』を信仰する「法華信仰」が貴族の中に流行、さらには永承7年〈1052〉を末法第1年とする仏教観念から起こった末法思想による浄土信仰にともなって『法華経』の書写や浄土関係の経典の写経が盛んになる。こうした背景のもと、仏国土を象徴する瑠璃(紺)・金という七宝を使った紺紙金字の写経が多く行われた。とくに、平安時代後期から鎌倉時代初期にかけては、紺紙金字の一切経の遺品も多い(「中尊寺経」「荒川経」「神護寺経」等々)。この「紺紙金字法華経断簡」もかような仏教信仰の所産である。この断簡は、とくに謹厳な楷書体の整斉美と金字の鮮やかさが際立っており、平安時代の信仰生活における荘厳性と貴族の美意識が反映されている。『法華経』譬喩品第三の1紙分に相当する。
共有
オブジェクトの概要
ライセンスなど
所管・分類など
グループのオブジェクト
OPEN DATADESIGN
Keio Object Hub では、データのオープン化を進めるだけではなく、オープン・データを活用してどのような体験がデザインできるか、さまざまな試みを行っています。
オブジェクトの詳細
物理的特性
- 重量と数量
-
員数 1幅
Keio Object Hubでは、試験的な取り組みとして、AI(機械学習)を用いてキーワードを付与し、検索やフィルタリングに使用しています(AIサジェスト)。
初期ローンチ時は、Google Cloud の Vision APIを利用して、各オブジェクトの画像を解析し、自動的にキーワードを付与しています。