紺紙金字法華経断簡

紺紙に銀泥の界を引き、金字で『法華経』を書写する。国家事業として行われていた奈良時代の写経は、平安時代に入ると写経の目的が、故人の追善の滅罪菩提・極楽往生の欣求、あるいは現世の利益へと変貌する。そこで、「写経功徳」や「女人成仏」を説く『法華経』を信仰する「法華信仰」が貴族間に流行する。さらには永承7年〈1052〉を末法元年とする末法思想による浄土信仰にともなって、『法華経』の書写や浄土経典の写経が盛んになる。こうした背景のもと、仏国土を象徴する瑠璃(紺)・金などの七宝を駆使した紺紙金字の写経が多く行われた。たとえば、平安時代後期から鎌倉時代初期にかけては、紺紙金字一切経の遺品も多い(「中尊寺経」「荒川経」「神護寺経」等々)。この「紺紙金字法華経断簡」もかような仏教信仰の所産である。この断簡は、整然とした画一的な筆致から専門経師の書写であろう。もとは、開結二経(『無量義経』『観普賢経』)を合わせて、法華経1部30巻に書写した一品経であった。これは、そのうちの五百弟子受記品第八の1巻の巻頭に、表紙・見返しを剥離して、合装したもの。表紙は、宝相華唐草文を、見返し絵は通常の釈迦説法図で、前庭に多宝塔を造立し、供養者が礼拝する姿を描く。
オブジェクトの概要
ライセンスなど
所管・分類など
グループのオブジェクト
OPEN DATADESIGN
Keio Object Hub では、データのオープン化を進めるだけではなく、オープン・データを活用してどのような体験がデザインできるか、さまざまな試みを行っています。
オブジェクトの詳細
識別情報
- タイトル(英題)
- Segment of Lotus Sutra
物理的特性
- 重量と数量
-
員数 1幅
Keio Object Hubでは、試験的な取り組みとして、AI(機械学習)を用いてキーワードを付与し、検索やフィルタリングに使用しています(AIサジェスト)。
初期ローンチ時は、Google Cloud の Vision APIを利用して、各オブジェクトの画像を解析し、自動的にキーワードを付与しています。