Object
神護寺一切経経帙
鳥羽法皇〈とばほうおう・1103-56〉が発願し、のち後白河法皇〈ごしらかわほうおう・1127-92〉が文治元年〈1185〉に神護寺に奉納した「紺紙金字一切経」(神護寺経)を収納するための経帙である。経帙は、何巻かずつの経巻を束ねて包む巻簀のこと。この経帙の端には紫檀の木札がつけられており、その表裏にそれぞれ「小乗論七十九」「立世(阿)毘曇論(りゅうせいあびどんろん)」と経典名を彫刻し、金泥を塗ってみがきあげて荘厳を加える。このことから、二種の経論をこれで包み、経箱へ納め入れていたものとわかる。黒墨で染めた竹ひごを種々の色糸で編み上げ、その裏には紙芯の上に雲母の板を貼る。縁は蜀江錦で飾る。紐は高麗組みの組紐で、上方左右と紐の根締めに三つの鍍金蝶形金具を付けるという、手の込んだ作りとなっている。一具の中に「久安六年〈1150〉」の墨書が発見されたことから、その書写年代を知る重要な鍵となった。染色と金工の工芸美を遺憾なく発揮したこの経帙は、平安時代の貴族の耽美性と信仰の深さを示す一端としても見逃しがたい遺品である。
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オブジェクトの概要
ライセンスなど
所管・分類など
グループのオブジェクト
OPEN DATADESIGN
Keio Object Hub では、データのオープン化を進めるだけではなく、オープン・データを活用してどのような体験がデザインできるか、さまざまな試みを行っています。
オブジェクトの詳細
識別情報
- タイトル(英題)
- Scroll Wrap for Buddhist Scriptures
物理的特性
- 重量と数量
-
員数 1套
- 付属品
- コピー(久安五年(1149年)の墨書名があるものもあり、本品の制作年の目安)/神護寺経巻竹帙巻二七一号
来歴
Keio Object Hubでは、試験的な取り組みとして、AI(機械学習)を用いてキーワードを付与し、検索やフィルタリングに使用しています(AIサジェスト)。
初期ローンチ時は、Google Cloud の Vision APIを利用して、各オブジェクトの画像を解析し、自動的にキーワードを付与しています。