New Year Calligraphy by HAYASHI Razan
- Person
-
authorHAYASHI Razan
- Date
-
Date 1648
- Title
- ハヤシラザンヒツガンタンシゴウ
- Measurements
- 37.0×55.1
- Materials, techniques and shape
- Ink on paper
- Collections
- Century Akao Collection
- Depository
- Institute of Oriental Classics (Shido Bunko) Campus Mita
- Ref. number
- AW-CEN-000134-0000
- License
- CC BY Images license
- Creditline
-
Keio University (Century Akao Collection)
- URL
- Classification
- Art
- AI Tagging
- Handwriting Wood Font Rectangle Tints and shades
林羅山〈はやしらざん・1583-1657〉は、江戸前期の儒者。名は信勝、字は子信。法名道春(どうしゅん)。少年期には京都・建仁寺の禅僧について学んだが、慶長9年〈1604〉、藤原惺窩〈ふじわらせいか・1561-1619〉に師事。「羅山」は師・惺窩が命名した儒学者としての名である。早くから朱子学に深く心を潜め、尋常ならざる博識であったという。翌年には二条城で徳川家康〈とくがわいえやす・1542-1616〉に謁見、命により剃髪僧形となり道春と称した。やがて、江戸に下向して、以来、徳川幕府歴代将軍の侍講をつとめた。朝鮮通信史の応接、文書・諸法度の起草、史書の編纂など、幕府の中での地位はゆるぎないものにした。寛永6年〈1629〉民部卿法印(四位相当)に叙任、翌年には、江戸上野忍岡に屋敷が与えられ、家塾(のちの昌平黌)を始める。が、明暦の大火で江戸城中の書物を焼失した失意の中に病死。75歳であった。これは「戊子元旦」「正月閏朔」と題し、それぞれ七言絶句を書く。「歳六十六」とあり、正保5年〈1648〉の正月に書かれたものと分かる。
戊子元旦時読公羊傳今茲余歳六十六東海煙霞梅柳春六旬有六歳華新手庵不試聖人筆撥獲紅爐火徳麟正月閏朔啼鳥開花是友于况添一月慰微軀餘分貶處道名分試問春秋有閏無夕顔巷客(印「羅山」)
「戊子」すなわち慶安元年(1648)の元旦および閏正月一日に詠んだ七言絶句各一首を一枚の懐紙にしたためたもの。元旦詠は、66歳という年齢と、ちょうどそのとき読んでいた経書の『春秋公羊伝【しゅんじゅうくようでん】』の内容を詠み込む。『公羊伝』は獲麟(薪を取る者が、太平の世に出現するとされる霊獣の麒麟を捕らえた)という記事を末尾に置き、漢代にはこれが高祖劉邦の出現を予言したものと解釈された。漢は五行説により火の徳を持つとされ、薪と火徳とが結びつけられたのである。「孔子はそのように歴史を予言したが、私はせいぜい囲炉裏でかじかんだ手をあぶっているだけ」という自嘲を述べる。閏正月のほうも、閏月のおかげで正月に春らしい雰囲気を味わえた喜びを述べ、『公羊伝』は名分を正し、余分なものを厳しく否定するが、閏月という余分はそこにもあるではないか、と茶化している。『羅山林先生詩集』所収本文と少し異同がある。横線や右払いの終筆を明確に止めず、やや開き気味に抜くような筆さばき、また、縦線が途中で少し細まってやや屈曲したり、最終画をアンバランスなほど伸ばしたりする、楷書としては不安定さを感じさせる構成は独特のもので、一見稚拙に見えるこれらの特徴は、隷書の書法、藤原定家に発する定家様【ていかよう】などの影響が考えられる。【翻刻】戊子元旦」時読公羊伝、今茲余歳六十六」東海煙霞梅柳春、六旬」有六歳華新、手亀不試」聖人筆、撥獲紅爐火徳」麟」正月閏朔」啼鳥開花是友于、況添一」月慰微躯、余分貶処道」名分、試問春秋有閏」無」夕顔巷叟」(印「羅/山」)(堀川貴司)「唐様前夜―林羅山とそのコミュニティ」展(2024.1 慶應義塾ミュージアム・コモンズ)図録 掲載
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Depository and ID
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Details
Identifiers
- Title (EN)
- New Year Calligraphy by HAYASHI Razan
Physical description
- Weights and quantities
-
Quantity 1幅
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