Letter by Takuan Soho

- Person
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作者沢庵宗彭
- Date
-
制作年 AD17
- Title
- タクアンソウホウヒツショジョウ
- Collections
- Century Akao Collection
- Depository
- Institute of Oriental Classics (Shido Bunko) Campus Mita
- Ref. number
- AW-CEN-002150-0000
- License
- CC BY Images license
- Creditline
-
慶應義塾(センチュリー赤尾コレクション)
- URL
- Classification
- Art
- AI Tagging
- Handwriting Rectangle Font Writing Monochrome photography
沢庵宗彭〈たくあんそうほう・1573-1645〉は臨済宗の僧。但馬国(兵庫県)出石(いずし)出身。生地で剃髪し、やがて京都の大徳寺へ行き春屋宗園〈しゅんおくそうえん・1529-1611〉の下で修行した。そして、一凍紹滴〈いっとうしょうてき・1539-1612〉に参じてその法を嗣ぎ、大徳寺第153世の住持に出世した。寛永4年〈1627〉、後水尾天皇〈ごみずのおてんのう・1596-1680〉の紫衣勅許をめぐる朝幕の対立に関わって、出羽(山形県)上山(かみのやま)に配流される。のち、許されて江戸に帰り、3代将軍徳川家光〈とくがわいえみつ・1604-51〉の帰依を受けて江戸品川に東海寺を開いた。正保2年〈1645〉73歳で示寂。後水尾天皇・徳川家光の信任篤く、詩歌・俳諧や茶道に通じた風雅の人であった。これは、南禅寺の以心崇伝〈いしんすうでん・1569-1633〉に宛てる。文中「当夏之合戦」、「仲夏(5月)末」の日付、脇付の「戦場下」などによって、元和元年〈1615〉5月に終局を迎えた大坂夏の陣を背景にした手紙とわかる。この戦乱の中、沢庵が住持をつとめる堺の南宗寺は被災炎上する。京都・大徳寺に避難の中での発信である。以心崇伝は、寛永4年〈1627〉、大徳寺・妙心寺の紫衣勅許事件に関して、幕府に抗議した沢庵・玉室らの処分にあたり、幕府側に立って厳科を主張して流罪に追いやった張本人である。同じ僧籍にありながら、宗教観は微妙に対立していた。この書状の文面を、後年起こったこの事件に重ね合わせると、極めて興味深い内容を含んでいる。「当夏之合戦」に始まる一条はまさに、沢庵が幕府の枢機にあずかり外交・寺社行政に深く参画しようとしていた崇伝へ、宗教者の矜恃を毅然と示した文言。文末に加えた皮肉とも思える「仏の前説法にて候。御免、御免。何事も聞かぬ顔にて馬の耳風が吹くとも思はざりけり」の言い回しには、沢庵の深謀が見え隠れするではないか。沢庵の心意気を示して余りある。数多い遺墨の中でも貴重な一通である。崇伝47歳、沢庵43歳。「因碩より状参り候。其れに就き因碩見舞い申さるべきの処、貴老御抑留の由、満足せしめ候。一々御書中納得申し候。万言万答申すに及ばず候。御息災の由承り喜悦に候。御床しき計りに候。/一、僧正(天海)、日光御在山の由に候。御所労如何、如何。御心元無く候。去りながら、然のみの御事とは聞こえず候。珍重に候。/一、賀州(加賀国)へ長老(崇伝)御下りの事は、先書に申し候間、申すに及ばず候。/一、世上の事、何事も思いままならぬ事、今に始まらぬ御事に候。/一、当夏の御合戦も漸く末に成り候。勝利得られ候哉。御満足察せしめ候。いまだ太平の天下には油断候はぬ御境界(胸懐)痛はしく存じ候へども、楽は其れ程々にある事に候間、無間の底をさへ彼の衆生は楽しむよし候へば、其の外の御事は余儀無く候。先ず先ず如何程も合戦を楽しみ候て、生々の後に御合点の時に至るべく候。修羅闘諍の武夫も刀子を研ぎ磨きて、これを楽しみとする事に候。寂滅楽(寂滅為楽)を楽しむ事は、はるかに遠き有様、目前の御事に候。錆びたる兵具成りとも、求め候て合力申し度く候。猶も嗔(瞋)恚の焔を強くと御嗜み、目出かるべく候。あなかしこ、あなかしこ。/智慧を真法に嫌ひ候が、老子の道にも然も候や。智慧出て、大偽有りと哉らん見え候しか。/仲夏(五月)の末宗彭(花押)/仏の前説法にて候。御免、御免。/何事も聞かぬ顔にて馬の耳風が吹くとも思はざりけり/(花押)/以(心崇)伝長老戦場下」
因碩より状参候就其因碩見舞可被申之処貴老御抑留之由令満足候一々御書中納言申候万言万答不及申候御息災之由承喜悦候御床敷計候一僧正日光御在山之由候御所労如何\/無御心元候乍去さのミの御事とは不聞候珍重候一賀州長老御下之事者先書ニ申候間不及申候一世上之事何事も思まゝならぬ事不始于今御事ニ候一当夏之合戦も漸末ニ成候勝利被得候哉御満足令察候いまた太平之天下には油断候ハぬ御境界いたハしく存候へ共楽ハ其程々ニある事ニ候間無間のそこをさへ彼衆生ハたのしむよし候へハ其の外之御事ハ無余儀候先々如何程も合戦を御たのしミ候て生々の後に御合点之時可至候修羅闘諍之武夫も刀子をときミかきてこれをたのしミとする事に候寂滅楽を楽事ハはるかにとをきありさま目前之御事に候さびたる兵具成とももとめ候て合力申度候猶も嗔(瞋)恚の焔をつよくと御たしなミ目出かるへく候あなかしこ\/智慧を真法にきらひ候が老子の道にもさも候や智慧出テ有大偽と哉らん見え候しか仲夏の末宗彭(花押)仏の前説法にて候御免\/何こともきかぬかほにて馬の耳風かふくともおもハさりけれ以伝長老戦場下
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- Letter by Takuan Soho
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