Image of Tenjin by Tosa Hirokane
- Person
-
作者Tosa HirokaneInscriptionKeijo Shurin
- Date
-
制作年 Muromachi period (15th century)
- Title
- トトウテンジンゾウ
- Measurements
- 61.0×28.6
- Materials, techniques and shape
- Colour on silk
- Collections
- Century Akao Collection
- Depository
- Keio Museum Commons Campus Mita
左大臣藤原時平の讒訴によって、配所の筑紫国(福岡県)太宰府に左遷、同地で不遇の死を遂げた菅原道真〈すがわらのみちざね・845-903〉の怨霊を鎮めるためにおこった天神信仰は、長い歴史の中で多くの絵画遺品を生み出した。天神画像は、礼拝像として描かれた道真の絵姿で、その形式は、束帯天神(笏を手に帯剣した文官の正装である束帯姿で描かれるもの)と、渡唐天神(冠をつけ中国の道服姿で梅の一枝を手挟んで立つもの)とに大きく二分できるが、典拠とした説話や、背景となった天神信仰の性格の変容などによって、さまざまなヴァリエーションがある。 これは、渡唐天神像の1つ。渡唐天神は、天神信仰が禅宗と結びついて生まれたもので、博多の崇福寺に出現して聖一国師(円爾弁円〈えんにべんえん・1202-80〉)に禅を問うた天神が、国師の薦めにより、宋・徑山の仏鑑禅師(無準師範〈ぶじゅんしばん・1178-1249〉)のもとに一夜のうちに渡って法衣を授けられたという説話にもとづく図様(『両聖記』応永元年〈1394〉ころ成立)である。これは、仙冠・道服を着け、袈裟袋を左肩から右腰に懸けて、拱手(手を前で組む)し、梅の一枝をたずさえて立つ、正面向きの典型的な渡唐天神像。筆者と伝える土佐広周〈とさひろかね・生没年未詳〉は、室町時代前期の土佐派の画家。『土佐家文書』によれば、永享11年〈1439〉から長享元年〈1487〉までの生存が確認される。法名を経僧といい、室町幕府の絵師であったという。かれの自筆とする土佐土佐守光孚〈とさみつざね・1780-1852〉の文化5年〈1808〉9月の鑑定折紙が付属する。確証はなにもない。ふっくらとした顔貌の描写は入念で巧みである。顔や衣装の胡粉に道服の緑青、冠・唇、あるいは袈裟袋の濃い朱、梅花は胡粉に淡い朱、というように、当初はかなり色彩鮮やかな画像であったにちがいない賛者の景徐周麟〈けいじょしゅうりん・1440-1518〉は、室町・戦国時代の臨済宗夢窓派の禅僧で、山城景徳寺・等持寺・相国寺・南禅寺などの諸寺を歴住した。渡唐天神図にふさわしい自詠の七言絶句を謹厳な楷・行書体で書写する。室町時代の五山僧らしい書風である。
仏鑑天神驀路逢挿梅叉手又当胸龍淵池上五更月雲破観音寺裡鐘香雲道人周麟拝賛(印)(印)
江戸時代後期に、土佐光孚(とさみつざね)(1780-1852)によって、室町時代中期に活躍した土佐広周(とさひろちか)筆と鑑定されている。
賛者の景徐周麟(けいじょしゅうりん)(1440-1518)は、室町時代の禅僧。幕府官僚の大舘氏出身、相国寺住持、鹿苑僧録(五山住持などの人事を管理する役職)を務めた。
菅原道真は、天神となって中国に渡り、宋代の禅僧で径山の住持だった無準師範(ぶじゅんしばん)(1177-1249、仏鑑禅師)に弟子入りし、その教えを受けた、という渡唐天神の伝説に基づいて描かれたもので、賛は景徐の詩文集『翰林葫蘆集』巻10に「天神」の題で収められる。
「常盤山文庫×慶應義塾 臥遊─時空をかける禅のまなざし」展(2023.10 慶應義塾ミュージアム・コモンズ)図録 掲載
仏鑑天神驀路逢
挿梅叉手又当胸
龍淵池上五更月
雲破観音寺裡鐘
香雪道人周麟拝賛
(印「景/徐」「周/麟」)
仏鑑禅師とばったりと会うと、天神は梅の枝を脇に挟み、手を組んで胸に当てて礼拝して禅の教えを受けた(その姿をこの絵は写している)。禅師の住む径山の龍淵池にかかる真夜中の月は、道真の住む大宰府観音寺でも見え、また観音寺で雲を破るように響き渡る鐘の音は径山にも響いている。
「常盤山文庫×慶應義塾 臥遊─時空をかける禅のまなざし」展(2023.10 慶應義塾ミュージアム・コモンズ)図録 掲載
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- Title (EN)
- Image of Tenjin by Tosa Hirokane
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