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津守経国筆書状

Keio Object Hub
人物
年代
制作年 AD13
タイトル
ツモリツネクニヒツショジョウ
コレクション
所管
斯道文庫 キャンパス 三田
資料番号
AW-CEN-002036-0000
ライセンス
CC BY 画像ライセンス
クレジット表記

慶應義塾(センチュリー赤尾コレクション)

URL
基本分類
美術
AIタグ
手書き ブラック 矩形 生命体 スタイル

津守家は、代々、摂津住吉神社の祠官を担った家柄で、住吉三神を奉斎して、摂津に勢力をはった名族であった。そして住吉津(墨江津)を守る津吏を兼ねて「津守」と称した。津守経国〈つもりつねくに・1115-1228〉は鎌倉時代の神官・歌人。住吉神社神主・国長の長子、母は中宮大夫進・源高良の女。家職を継いで、正五位下・摂津守に叙任される。建保4年〈1216〉に権神主、承久2年〈1220〉には住吉社第47代神主に補せられた。彼は笛や太鼓の妙手で、また歌道にも秀でた。その詠歌は『新勅撰和歌集』以下の勅撰集に12首入集する。安貞2年〈1228〉10月25日没、享年44歳。この書状2通は、藤原定家〈ふじわらのさだいえ・1162-1241〉の日記『明月記』のうち、定家自筆本の安貞元年〈1227〉の紙背文書として伝来したもの。本文の内容の詳細は不明ながら、両通ともに「築垣事(ついがきのこと)」が用件となっている。築垣は築地と同義。土で造った垣根・土塀、あるいは御所、または堂上方・公卿の邸宅の意がある。まず、経国と定家の交遊は、『明月記』には、建暦元年〈1211〉11月4日をはじめとして、同2年、建保元年〈1213〉、嘉禄元年〈1225〉、安貞元年〈1227〉に登場、定家の50~60歳ころに住吉社東遊和歌などを通じて親しく交わったことを知る。よって、定家が日記を書写するに当たり、経国の書状の紙背を再利用することは十分考えられること。この「安貞元年」前後の定家の動向の中から、「築垣」を念頭に『明月記』を探ったところ、たまたま、嘉禄2年〈1226〉9月に定家が新邸の建立を企図している。9月30日に築垣を築き、10月28日が居礎日、11月8日新邸持仏堂居礎日、同12日持仏堂柱打、同13日母屋上棟、同25日門の檜皮葺、同30日新屋屋根の檜皮葺、等々と工を進め、ついに同15日竣工、12月21日の吉祥日に、定家は新邸に居を移している。この書状は、この間に両者に交されたものではなかったか。鎌倉時代初期の貴重な自筆資料の一つである。「[第一通]築垣の事、今に沙汰無きの条、竒怪(=奇怪)の事に候。間引□□と為て、阿芸へ下向の由、只今斯の事、男上りて、日来は已に沙汰了んぬるかの由に候処、雑掌下向、説うべからず、説うべからず候。□三ヶ日の内に築立つべきの由、召さるべく候。四帖畏□了んぬ。目落し事□ず、書生前文章生、貞真と申す者の所行に候。此の外も猶、事に依り候か。自筆に書き進上すべくの由と存じ候。其の草木事も其の内進ずべく候て、会坂生付け候哉。明旦、下向候。来月十日、参り入るべく候。恐惶謹言。/中宮三品之義、立□。心許無き由、申され候て、頻りに興に入り忝なし候か。[第二通]来たる十九日、冷泉殿の参り次で、委しく意をせしむ候か。彼の築垣の事、武所下司男に申し付け候の処、今に覚え語り候と云々。説うべからず候、説うべからず候。今明の間、責め催すべく候。経国、恐惶謹言。十一月十四日/経国」

[第一通]中宮三品之義立□心もとなきよし被申候て頻入興忝候歟築垣事于今無沙汰之条竒恠事候為間引□□下向阿芸之由只今斯事男上て日来者已沙汰了歟之由□候處雑掌下向不可説々々々候□三ヶ日内可築立之由可召仰候四帖畏□了目落事不□者書生前文章生貞真と申□者□之所行候此外も猶□依事候歟自筆可書進上之由存候其草木事も其内可進候て會坂生付候哉明旦下向候来月十日可参入候恐惶謹言―――――――――[第二通]来十九日参冷泉殿之次委□令意候歟彼築垣事申付武所下司男候之處于今覚語□候云々不可説候/\今明之□間可責催候経国恐惶謹言十一月十四日経国

ライセンスなど

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AW-CEN-002036-0000
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CC BY
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慶應義塾(センチュリー赤尾コレクション)

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キャンパス 三田
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オブジェクトの詳細

識別情報

タイトル(英題)
Letter by Tsumori Tsunekuni

物理的特性

重量と数量
員数 1幅

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