松浦鎮信筆消息

- 人物
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作者松浦鎮信
- 年代
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制作年 AD17
- タイトル
- マツラシゲノブヒツショウソク
- コレクション
- センチュリー赤尾コレクション
- 所管
- 斯道文庫 キャンパス 三田
松浦鎮信〈まつらしげのぶ・1549-1614〉は、桃山~江戸初期の武将。肥前平戸城主松浦隆信(道可)の長男。通称は源三郎、式部卿法印・平戸法印とも称した。父とともに豊臣秀吉に仕え、天正15年の九州征伐に出陣、その功績により、肥前松浦・彼杵(そのぎ)など六万三千石余が安堵された。文禄・慶長の役では、小西行長率いる一番隊に属して出兵、大いに貢献した。また、関ヶ原の戦では石田三成の誘いに呼応せず、東軍に属し、家康の信頼を得て、平戸藩主として旧領を支配した。平戸にオランダ・イギリス商館を設置、平戸貿易による平戸藩繁栄の基礎を築いた。この書状は、淡路酒を贈られたことへの礼手紙。宛名「篠原源右(衛門)」は、阿波国篠原郷の出自の武将、篠原一族の後裔であろう。三好氏の家臣に、篠原自遁(肥前守)や篠原長房(右京進)、篠原長秀(玄蕃頭)などがいるが、特定はできない。「淡路酒」は阿波の特産の地酒であろうか、毎年、鎮信に贈り届けているようである。「唐人と一合戦仕度候」には、文禄・慶長の役〈1592~98〉で朝鮮に赴き数々の戦功を上げた鎮信の武士の気概が込められている。「愚老……」と記すように、鎮信晩年、60代に入っての筆跡であろう。その書は、まさしく定家流(藤原定家の書風)そのもの。定家流の武家階層への広がりを示す早い遺例として注目される一通である。「例の如く淡路酒給い、遠国へ毎年差し越し申さるる段、扨々、心底感悦申し候。先ず以って無事の由珍重、珍重。愚老事、一段堅固に候。未だ二、三年は一身丈夫にこれ在るべき体に候。其方も我等も達者、内々、唐人と一合戦仕り度く候。日本は御静謐未だ三百五十年は無事にこれ在るべくと恐悦奉り候。懐かしく日事に候。近年の内逢い申し度く候。謹言。六月十三日肥前篠原源右(衛門)殿/返々、同右(篠原)半兵衛(源右衛門の子か)へ一伝申し候。無事候や。退屈これ無く居られ給うべく候。以上。」
如例あはち酒給遠国へ毎年差越被申段扨/\心底感悦申候先以無事之由珍重々々愚老事一段堅固ニ候未二三年ハ一身丈夫ニ可在之躰(体)ニ候其方も我等も達者内々唐人と一合戦仕度候日本ハ御静謐未三百五十年ハ無事ニ可在之と奉恐悦候なつかしく日事ニ候近年ノ内逢申度候謹言肥前六月十三日(花押)篠原源右殿返々同右半兵衛へ一傳申候無事申候や退屈無之被居可給候以上
オブジェクトの概要
ライセンスなど
所管・分類など
グループのオブジェクト
OPEN DATADESIGN
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オブジェクトの詳細
識別情報
- タイトル(英題)
- Letter by Matsura Shigenobu
物理的特性
- 重量と数量
-
員数 1幅
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