片仮名本古今集切(古今集巻第八)

- 人物
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作者伝藤原清輔
- 年代
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制作年 AD13
- タイトル
- カタカナボンコキンシュウギレ
- コレクション
- センチュリー赤尾コレクション
- 所管
- 斯道文庫 キャンパス 三田
古筆切には珍しく、片仮名で書かれた『古今和歌集』の断簡。本文中、上下の余白に勘物(かんもつ・本文の内容について調査し、注を加えること)が多く記載されていることから、藤原清輔書写本系統とわかる。この系統本としては、清輔自筆と伝える賀茂季鷹〈かものすえたか・1754-1841〉所持本が現存する(神奈川・称名寺蔵)。また、江戸時代末期の天保2年〈1831〉に榎本寛親〈えのもとひろちか・?-1833〉がそれを影写した静嘉堂文庫本が伝わるが、残念ながら、全20巻中、巻第十一以下の下巻のみで、欠脱も多い。筆者と伝えられる藤原清輔〈ふじわらのきよすけ・1104-77〉は、平安時代末期の歌人で、『詞花和歌集』の撰者・藤原顕輔〈あきすけ・1090-1155〉の子。和歌に優れ、藤原俊成・西行と並び称せられた。今日、清輔を伝称筆者とする古筆として「清輔本古今和歌集」(前田育徳会蔵)、「内裏切(だいりぎれ)」などが知られるが、清輔の自筆遺品は伝存しないため、確証はない。この断簡は、巻第八の離別歌の部分。上部の勘物にみえる「金玉深窓」の文字は、『金玉集』(きんぎょくしゅう・寛弘4~8年〈1007~1011〉ごろ成立。藤原公任撰)・『深窓秘抄』(しんそうひしょう・成立年不明。藤原公任撰)のこと。『深窓秘抄』は、藤田美術館に収蔵される平安後期の古写本一巻が伝存するのみ。この断簡は、当時流布した『深窓秘抄』の姿を推測する一助となる。また、「片仮名本古今集」の古筆切は2種確認される(『古筆学大成』)が、この断簡は、それらとも異なる筆。国文学史上にも貴重な存在である。
(勘物省略)アキゞリノトモニタチイデゝワカレナバハレヌオモヒニキエヤワタラム 源ノサネガツクシヘユアミムトテマカリケルニヤマザキニテワカレオシミケルトコロニテヨメルシロメ イノチダニコゝロニカナフモノナラバナニカワカレノカナシカラマシヤマザキヨリカムナビノモリマデヲクリニ人々マカリテカヘリガテニシテワカレヲシミケレバヨメル源ノサネヒトヤリノミチナラナクニオホカタハ イキウシトイヒテイザカヘリナムイマハコレヨリカヘリネトサネガイヒケルオリヨメルカネモチ
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- タイトル(英題)
- Segment of Katakana Edition of the Kokin Wakashu Vol.8
物理的特性
- 重量と数量
-
員数 1幅
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