九条殿切本新楽府絵巻詞書断簡

- 人物
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作者伝後京極良経
- 年代
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制作年 鎌倉時代(13世紀)
- タイトル
- クジョウドノギレボンシンガフエマキコトバガキダンカン
- コレクション
- センチュリー赤尾コレクション
- 所管
- 斯道文庫 キャンパス 三田
「新楽府(しんがふ)」とは、唐の王宮における楽府(日本では楽所)において、白居易〈はくきょい=白楽天・772-846〉が作った50編の歌詞のこと。『白氏文集』(白居易の詩文集)の巻第三・第四に収められている。わが国の平安貴族社会においても大いに愛誦され、紫式部〈むらさきしきぶ・987?-1014?〉が一条天皇〈いちじょうてんのう・980-1011〉の中宮彰子〈しょうし、あきこ・988-1074〉のために進講した話や、多くの能書たちが高貴な人への贈り物としてこれを書写したという記録が残っており、小野道風〈おののみちかぜ・894-966〉・藤原佐理〈ふじわらのすけまさ・944-998〉筆の「絹地切」などは、その遺例である。また、宮廷における「新楽府」への多大な関心が論義を盛んにし、その内容を要約して大意を述べ、いくつかの語句について説明をくわえた『新楽府略意』(信救〈しんきゅう・生没年未詳〉著・13世紀)が著作されるに至った。この「九条殿切本」は、「新楽府」の梗概本ともいうべき『新楽府略意』と同様の内容をもつものである。今日、断簡で5葉が伝存する。これはその一つで、『白氏文集』巻第三の詩題「蛮子朝」を書写した部分にあたる。料紙の寸法・装飾技巧から、「新楽府」を絵解した絵巻物を想起させ、おそらくこの断簡は、「新楽府絵巻」の詞書の一部と推定される。ほかに類例遺品がなく、僅か一葉の断簡ながら極めて貴重な地位を占める。金銀砂子の霞引と切箔を散らした料紙装飾や、後京極良経〈ごきょうごくよしつね・1169-1206〉を始祖とする後京極流の書風から、「紫式部日記絵巻」(五島美術館・藤田美術館蔵ほか)とほぼ同じ鎌倉時代初期、13世紀前半の書写と考えられる。「九条殿切」の名称は、摂関家たる九条家の伝来を記念しての命名であろう。
(六詔は初)めて瑣砕也あはせて一詔となりて漸強〔大〕也玄宗皇帝聖神なりといへども蛮屈〔強〕とこはくしてきたりしたがはざりき鮮于仲通六万のいくさ蛮をせめしにいくさおちて
オブジェクトの概要
ライセンスなど
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グループのオブジェクト
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オブジェクトの詳細
識別情報
- タイトル(英題)
- Segment of Illustrated Scroll of the New Yueh-fu Poems
物理的特性
- 重量と数量
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員数 1幅
- 材質・技法・形状
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材質 銀砂子・切箔 装飾料紙
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