Object
銅製経筒・納入経巻残欠

銅鋳製で、印籠式(蓋と身が合わさる)の被せ蓋をもつ円筒形経筒。胴部は薄手に作られ、下部には1条の突帯をめぐらしている。この器形と同類の経筒が京都市伏見区の稲荷山経塚から出土しているので、これも畿内のしかるべき経塚からの出土と推定される。2段に盛り上がった蓋の曲線が平安朝の風趣を示している。普通、経筒に納入された紙本の経巻は、長い年月の間には水が染み込み、腐食することが多く、形とどめて伝存するものは稀有。ところが、この経筒からは、墨書経と血書経(実際は血に見立てた朱書の経巻)が残存する。図版は、墨書の『観普賢経』。この経典は、「法華経供養」では結経に相当する。末法思想を反映して誕生した経塚の構築、埋経の習慣から考えて、おそらくこの経筒には、『法華経』(8巻)に加えて『無量義経』(1巻・開経)・『観普賢経』(1巻・結経)が納入されていたと思われる。あるいは筒の太さから、さらに浄土教の写経が混じっていたかとも想像される。貴重な遺品である。
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OPEN DATADESIGN
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オブジェクトの詳細
識別情報
- タイトル(英題)
- Bronze Sutra Cylinder
物理的特性
- 重量と数量
-
員数 1合
- 付属品
- 内容物(経巻か)、とめビス
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