近衛信尹筆堅田落雁図自画賛

- 人物
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作者・賛者伝近衛信尹
- 年代
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制作年 AD16
- タイトル
- コノエノブタダヒツカタタノラクガンズジガサン
- 材質・技法・形状
- 紙本墨画
- コレクション
- センチュリー赤尾コレクション
- 所管
- ミュージアム・コモンズ キャンパス 三田
中国の宋代に成立した瀟湘八景図(中国・湖南省の洞庭湖の南、瀟水と湘水が合流する地域を8つの景勝に描く)は、室町時代に日本にもたらされ、愛好された。これになぞらえて選ばれたのが近江八景(琵琶湖南部湖畔の8つの景勝)で、この1幅は「堅田落雁」を表わしたもの。もとは8図を具備したことはいうまでもない。もともと近江八景の選定は、近衛政家〈このえまさいえ・1444-1505〉によるという説もあるが、近年では近衛信尹説が有力視されている。これはその根拠ともなる重要な遺品といえよう。近衛信尹〈このえのぶただ・1565-1614〉は、桃山時代の公卿で、摂関家近衛家の当主。文禄元年〈1592〉、豊臣秀吉〈とよとみひでよし・1536-98〉の朝鮮出兵に際し、みずからが総指揮をとるべく渡航従軍を企てたが失敗。同3年〈1594〉、義兄たる後陽成天皇〈ごようぜいてんのう・1571-1617〉の勅勘に触れ、薩摩国最南端、坊津に配流となった。後に帰洛し、還俗後、関白・氏長者さらには准三宮となった。歌道・書道に秀で、ことに書においては、近衛流(三藐院流)と称され、本阿弥光悦〈ほんあみこうえつ・1558-1637〉・松花堂昭乗〈しょうかどうしょうじょう・1584-1639〉とともに「寛永の三筆」の1人に挙げられ、不羈奔放の性格のままに、豪放自在、すこぶる個性的な書をかいた。この賛の書風もその典型である。信尹の書風は、没後多くの追随者を得て、一世を風靡した。また、画にも非凡の才を発揮、とくに水墨画の名品を多く残している。が、本幅のような山水の自画賛はきわめて珍しい。
みねあまたこえてこしぢにまつちかきかたゝになびきおつる雁がね(花押)
オブジェクトの概要
ライセンスなど
所管・分類など
グループのオブジェクト
OPEN DATADESIGN
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オブジェクトの詳細
識別情報
- タイトル(英題)
- Wild Geese Descending on Lake Shore by Konoe Nobutada
物理的特性
- 重量と数量
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員数 1幅
- 付属品
- 外箱(二重箱)
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