住吉如慶筆歌仙絵(二条院讃岐)

- 人物
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作者住吉如慶賛者久世通俊
- 年代
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制作年 AD17
- タイトル
- スミヨシジョケイヒツカセンエ(ニジョウインサヌキ)
- コレクション
- センチュリー赤尾コレクション
- 所管
- 斯道文庫 キャンパス 三田
藤原公任〈ふじわらのきんとう・996-1041〉撰になる『三十六人撰』は、当時の秀歌の規範として貴族たちの文芸の座右に重んじられた。やがて、平安時代末期・12世紀になると、これら歌人の画像を描いてその代表歌1首を書き添えた歌仙絵が生まれた。なかでも「佐竹本三十六歌仙絵巻」「上畳本三十六歌仙絵巻」が有名である。後世、歌道の流行を歌仙信仰にともなって、絵巻形式の巻子本から、各歌仙ごと色紙に貼り込んだ色紙帖が考案された。歌仙と歌が一体となったものや、歌と歌仙像を分離して左右一対に組み合わせた歌合形式の色紙帖などが作られた。いずれも、歌仙像は当時の名だたる絵師に、歌は能書の公卿に書写を依頼して制作されたものである。本図は、歌仙・和歌がそれぞれ別に制作され、色紙は、当時の能書に依頼して揃え、歌仙像は住吉如慶〈すみよしじょけい・1599-1670〉が担当したものであった。像主・二条院讃岐は、平安時代末期から鎌倉時代前期にかけての女流歌人。源頼政のむすめであったが、二条天皇に出仕して二条院讃岐と呼ばれた。小野小町ほかの中古歌人を左方に、式子内親王ほかの中世歌人を右方に配した歌合で、鎌倉時代中期に成立した『女房三十六人歌合』に歌を採られた女流歌人「女房三十六歌仙」の1人。色紙の和歌は、『新古今和歌集』(巻第二・春歌下)所収で、『女房三十六人歌合』にも採用の和歌。よって、この歌仙図は、「女房三十六歌仙」を構成した歌仙色紙帖であったことがわかる。絵師の住吉如慶は、土佐派に学んで、寛文元年〈1661〉薙髪して如慶を名乗り、法眼に叙せられる。後西天皇の勅を奉じて住吉絵所を再興、江戸の大和絵基盤をつくった。一方、賛の筆者は、色紙の裏書から、江戸時代初期に久我家から分かれた久世通式〈みちのり・1593-1628〉の子・通俊〈みちとし・生没年未詳〉の自筆である。両者の関係から17世紀半ばの作品と推定される。
右二条院讃岐明かたの空月にあまきるちる花のあらしにみねの山たかみ
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ライセンスなど
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グループのオブジェクト
OPEN DATADESIGN
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オブジェクトの詳細
識別情報
- タイトル(英題)
- Portrait of Lady Sanuki by Sumiyoshi Jokei
物理的特性
- 重量と数量
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員数 1幅
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