束帯天神像(土佐一得筆、尊純法親王賛)

- 人物
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作者土佐一得賛者尊純法親王
- 年代
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制作年 AD17
- タイトル
- ソクタイテンジンゾウ(トサイットクヒツ、ソンジュンホウシンノウサン)
- 材質・技法・形状
- 絹本着色
- コレクション
- センチュリー赤尾コレクション
- 所管
- ミュージアム・コモンズ キャンパス 三田
左大臣藤原時平の讒訴によって、配所の筑紫国(福岡県)太宰府に左遷、同地で不遇の死を遂げた菅原道真〈すがわらのみちざね・845-903〉の怨霊を鎮めるためにおこった天神信仰は、長い歴史の中で多くの絵画遺品を生み出した。天神画像は、礼拝像として描かれた道真の絵姿で、その形式は、束帯天神(笏を手に帯剣した文官の正装である束帯姿で描かれるもの)と、渡唐天神(冠をつけ中国の道服姿で梅の一枝を手挟んで立つもの)とに大きく二分できるが、典拠とした説話や、背景となった天神信仰の性格の変容などによって、さまざまなヴァリエーションがある。これは、典型的な束帯天神像。神殿風の室内、上畳に坐す姿。奥の壁には天神と因縁深い松と梅樹が描かれ、その手前には木目の入った柱が2本。鮮やかな色調の牡丹唐草文様の幕、さらには巻き上げられた御簾。細緻な背景描写が本図の特徴である。図上には2枚の色紙形が置かれ、右には松、左には梅の下絵が金泥でえがかれ、和歌1首が書写される。画は、付属の住吉弘定〈すみよしひろさだ・1793-1863。住吉派7代。弘貫とも。幕府の御用絵師〉の外題、その弟子・山名貫義〈やまなつらよし・1836-1902〉の鑑定折紙によって、土佐一得〈とさいっとく・生没年未詳〉の筆という。江戸時代初期の土佐派の絵師で、土佐光吉〈みつよし・1539-1613〉の門人あるいは弟といわれる。賛の和歌は、古筆鑑定家・古筆了仲が、後陽成天皇の猶子・尊純法親王〈そんじゅんほうしんのう・1591-1653〉の筆と極める。現存する尊純の自筆遺墨と比較して、同筆と考えて間違いない。当時通行の伝統的な青蓮院流(尊円親王を祖とする書流)の書法である。なお、和歌の出典は不明。確証はないが、歌意から菅原道真の詠歌に擬定されていたのではないか。
オブジェクトの概要
ライセンスなど
所管・分類など
グループのオブジェクト
OPEN DATADESIGN
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オブジェクトの詳細
識別情報
- タイトル(英題)
- Image of Tenjin by Tosa Ittoku
物理的特性
- 重量と数量
-
員数 1幅
- 付属品
- 極札7枚
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