束帯天神像

左大臣藤原時平の讒訴によって、配所の筑紫国(福岡県)太宰府に左遷、同地で不遇の死を遂げた菅原道真〈すがわらのみちざね・845-903〉の怨霊を鎮めるためにおこった天神信仰は、長い歴史の中で多くの絵画遺品を生み出した。天神画像は、礼拝像として描かれた道真の絵姿で、その形式は、束帯天神(笏を手に帯剣した文官の正装である束帯姿で描かれるもの)と、渡唐天神(冠をつけ中国の道服姿で梅の一枝を手挟んで立つもの)とに大きく二分できるが、典拠とした説話や、背景となった天神信仰の性格の変容などによって、さまざまなヴァリエーションがある。本図は、両手で笏の両端を握り立てる束帯天神像。眉をしかめて、眼と歯をむいた怒りの表情をあらわしたいわゆる怒天神像である。また、綱を編んだ円座に坐すところから、この形式は綱敷天神像あるいは綱坐天神とも呼ばれる。道真が西下の途次、休息すべき家がなかったので、帆網を巻いて円座としたという伝説に基づいた図様である。なお、上部には『般若心経』が書写される。伝来途次、伝得した人の信心によるものと思われる。奈良朝写経を思わせる謹厳な書写ぶりである。なお、付属の古筆了任の折紙ならびに箱書付によると、京都大徳寺の什物であったという。
オブジェクトの概要
ライセンスなど
所管・分類など
グループのオブジェクト
OPEN DATADESIGN
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オブジェクトの詳細
識別情報
- タイトル(英題)
- Image of Tenjin
物理的特性
- 重量と数量
-
員数 1幅
- 付属品
- 三重箱
来歴
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