阿弥陀三尊来迎図

阿弥陀如来は、西方十万億土の極楽浄土で説法をする仏とされる。釈尊の教えが消滅、修行の結果とされる悟りも得られない世の中、すなわち末法に入ったと観念した平安末期に、この阿弥陀如来を信仰することによって極楽往生がかなうと信じる浄土信仰が隆盛をきわめた。こうした極楽成仏を願う人々の信心の礼拝本尊として描かれたのが阿弥陀来迎図である。阿弥陀如来を上部中央に配し、その下に観音・勢至の両菩薩が、画面左上から右下の方向へと来迎する形式に描かれる。臨終の信者の前にこの三尊が出現し、極楽浄土に迎えるところを主題にする図は、阿弥陀三尊来迎図と呼ばれ、浄土信仰・阿弥陀信仰が盛んになった平安時代から描かれた。阿弥陀如来のいる極楽浄土の世界は九種に分かれていると説かれる(九品=上品上生・上品中生・上品下生・中品上生・中品中生・中品下生・下品上生・下品中生・下品下生)。この九品は衆生の生前における修行の深浅、能力の高下に応じて九通りの往生があるという考え方である。阿弥陀如来はそれぞれの浄土で印相(仏の法力を手指の形で示したもの)を変えて説法する。この絵の阿弥陀如来は、右手を上げて左手は下げ、それぞれの親指と人差し指で輪をつくる上品下生印を結んでいるが、この印相はとくに来迎印と呼ばれる。先導の観音菩薩は蓮台を持ち、勢至菩薩は合掌する姿で、それぞれ腰を折って前かがみの姿勢に描かれる。三尊の頭髪部分に馬尾の毛を用いた刺繍が施されている点に特色がある。
オブジェクトの概要
ライセンスなど
所管・分類など
グループのオブジェクト
OPEN DATADESIGN
Keio Object Hub では、データのオープン化を進めるだけではなく、オープン・データを活用してどのような体験がデザインできるか、さまざまな試みを行っています。
オブジェクトの詳細
識別情報
- タイトル(英題)
- Descent of Amida Trinity
物理的特性
- 重量と数量
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員数 1幅
- 材質・技法・形状
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材質 毛髪刺繍
- 付属品
- 二重箱/太巻
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初期ローンチ時は、Google Cloud の Vision APIを利用して、各オブジェクトの画像を解析し、自動的にキーワードを付与しています。