一行禅師像

真言宗においては、インドで生まれ中国に伝わった真言密教をわが国に流伝護持した8人の高僧を真言八祖と呼んで崇拝してきた。龍猛(りゅうみょう・第1祖)・龍智(りゅうち・第2祖)・金剛智(こんごうち・第3祖)・不空(ふくう・第4祖)・善無畏(ぜんむい・第5祖)・一行(いちぎょう・第6祖)・恵果(けいか・第7祖)・空海(くうかい・第8祖)の8人である。灌頂(密教において法を受け継ぐ時の儀式)の際、受者に法脈の継承の自覚をうながすために、この八祖の画像が掛けられることから、多くの作例が伝存するが、八祖像を完存する最古の遺品は神護寺に伝来する8幅(祖本となったのは教王護国寺蔵の真言七祖像)。以来、これが祖本となって同種の画像が描かれた。この一行禅師の画像も、もとは八祖像としてつくられたものの1幅である。一行〈683-727〉は、第3祖・金剛智および第5祖・善無畏の2人から密教を相承した。暦学・数学にもすぐれた才能を発揮、その著『開元大衍暦(かいげんたいえんれき)』は、奈良朝において利用された暦として知られる。この画は、螺鈿で装飾された床几に斜め向きに坐す姿に描く。画面上方には、3色(白・茶・藍)の顔料で塗られた下地に朱・群青で草花・薄の下絵を描いた色紙形には、一行の略伝を書写する。描法・賦彩、賛の書風などから、室町時代・15世紀の作品と考えられる。
オブジェクトの概要
ライセンスなど
所管・分類など
グループのオブジェクト
OPEN DATADESIGN
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オブジェクトの詳細
識別情報
- タイトル(英題)
- Portrait of Priest Ichigyo
物理的特性
- 重量と数量
-
員数 1幅
- 付属品
- 翻字及参考資料
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