徳川綱吉筆「貞操」二大字

- 人物
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作者徳川綱吉
- 年代
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制作年 AD17
- タイトル
- トクガワツナヨシヒツテイソウニダイジ
- コレクション
- センチュリー赤尾コレクション
- 所管
- 斯道文庫 キャンパス 三田
徳川綱吉〈とくがわつなよし・1646-1709〉は、江戸幕府の第5代将軍。第3代将軍家光〈いえみつ・1604-51〉の第4子。延宝8年〈1680〉、兄家綱〈いえつな・1641-80〉の死により、将軍職を継ぎ、正二位・内大臣に叙任。幕政の実権を掌握し、綱紀粛正を進めて、前半期(天和・貞享期)の政治は、「天和の治」と称えられる成果を上げた。しかし、後半期(元禄・宝永期)は、大老堀田正俊〈ほったまさとし・1634-84〉の死後、大いに乱れる。儒教・仏教の精神により人民を統治しようとしたが、稀代の悪法として名高い「生類憐みの令」を発して人々を苦しめ、また、悪貨濫発などによって、庶民生活に混乱を招いた。反面、町人が社会の担い手として台頭し、江戸時代前期において思想・芸術ともに最も光彩を放った「元禄文化」の出現をみた時代でもあった。これは、将軍綱吉の珍しい遺墨である。まず、「貞操」の二字を大きく、「寒松」以下を中字に配してバランスを取る。いずれも一点一画を慎重に運んだ楷書。そして、これと好対照に、左隅に細字で「内大臣綱吉」と署名する。内大臣にのぼったのは、延宝8年、35歳の時。それ以後の筆跡である。署名に見る朴訥とした味わいは綱吉の個性である。「寒松一色千年別」の一句は、「野老拈花万国春」と対句を成し、『臨済録(りんざいろく)』に収められる。天子の境涯とはいかなるものか、との問いに答えた句。天子というものは、「寒松一色、千年別なり」というように、孤独で寂寥・冷厳毅然たるものであるが、同時に老翁が花を手にして、天下泰平の春を謳歌しているのにもたとえるべきもので、のどかでなごやかで悠々閑々とした境涯を示す。綱吉の心中を象徴する句として注目される。
貞操寒松一色千年別内大臣綱吉(印「綱吉」)
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識別情報
- タイトル(英題)
- Two Large Characters Denoting “Chastity” by Tokugawa Tsunayoshi
物理的特性
- 重量と数量
-
員数 1幅
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