尊円入道親王筆瀟湘八景詩

- 人物
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作者尊円入道親王
- 年代
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制作年 AD14
- タイトル
- ソンエンニュウドウシンノウヒツショウショウハッケイシ
- コレクション
- センチュリー赤尾コレクション
- 所管
- 斯道文庫 キャンパス 三田
尊円入道親王〈そんえんにゅうどうしんのう・1298-1356〉は、伏見天皇〈ふしみてんのう・1265-1317〉の第5皇子。幼名は尊彦(たかひこ)。徳治3年〈1308〉4月21日、11歳の時、青蓮院(しょうれんいん)に入り慈道法親王〈じどうほうしんのう・1282-1341〉について修行。5年後の応長元年〈1311〉6月26日に薙髪、名を尊円と改める。以来、正平11年〈1356〉59歳で示寂するまで、青蓮院門跡に3度、そして天台座主に4度も補された。歴朝屈指の能書帝たる父・伏見天皇の血脈をうけ、生来、能書の才に恵まれた。みずからも、その範を上代様に求めた。とりわけ、小野道風〈おののみちかぜ・894-966〉・藤原行成〈ふじわらのゆきなり・972-1027〉の書風に傾倒した。後年は、自流を打ち立てて、尊円流とも、また青蓮院流・粟田口流(あわたぐちりゅう。青蓮院が、東山・粟田口に所在するところから)とも呼ばれて一世を風靡した。青蓮院の歴住が、その書風を墨守踏襲したために、後世、永くその流派がさかえた。江戸時代に入ると、御家流(おいえりゅう)の名によって、寺子屋の習字教本としてとり上げられたことによって、大きな盛行を呼ぶ結果となった。中国湖南省の景勝地を詠んだ「瀟湘八景詩」(「西湖八景」とも。「瀟湘夜雨」「山市晴嵐」「遠浦帰帆」「煙寺晩鐘」「平沙落雁」「漁村夕照」「洞庭穐月」「江天暮雪」)は、わが国でもさかんに書写され、また絵画にも描かれてきた。その詩を独自に詠じたものも少なくない。この詩はその範疇のもので、作詩者は不明ながら、筆者尊円の自詠か。これは「遠浦帰帆」の一詩。寸法から推して、もとは8詩・8幅に作られたものであったと考えられる。その筆者は、その書風・筆致から伝承どおり、尊円親王の自筆疑いないもの。典型的な青蓮院流の重厚かつ温和な筆致を展開する。
遠浦帰帆風生蒲柳起秋色。夕日流々水面幽。且立沙汀望煙嶋。衝雲帆影入滄洲。
オブジェクトの概要
ライセンスなど
所管・分類など
グループのオブジェクト
OPEN DATADESIGN
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オブジェクトの詳細
識別情報
- タイトル(英題)
- Poem Quotation from “Eight Views of the Rivers and a Lake”
物理的特性
- 重量と数量
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員数 1幅
- 材質・技法・形状
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材質 雲紙(巻子本料紙を転用)
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