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装飾法華経断簡(序品第一)

平安時代の中期から後期にかけて、華麗な装飾経が流行した。王朝貴族たちが、写経成仏(法師品)・女人成仏(提婆品)を説く『法華経』の功徳を信じ、さらには、折柄の末法思想や浄土思想の流布とも関わり、人々は末法の危機感と恐怖から逃れるべく、現世の極楽を願い、後世の成仏を祈った。仏の加護を得たいと願う人々は、『法華経』の利益を信じ、こぞって『法華経』の写経に励み、写経供養が流行することとなった。一人が一巻を担当するのを一巻経、一品ごとを分担するのを一品経と呼んだ。各巻ごとに、これを結縁した宮廷貴族のひたむきな気持ちを反映して、本紙や写経の文字、さらに軸・紐・題簽などに装飾を施し、美の限りを尽くした装飾経が誕生していったのである。こうした風潮は鎌倉時代初期まで継承された。この断簡は、『法華経』序品第一の四字偈の部分。もとは、『法華経』二十八品を各1巻に書写供養した一品経であったと推定される。その一紙分に相当。金泥で界を引き、天地に金・銀箔、銀砂子、芒を撤いた装飾料紙に書写される。長い年月の経過により、天地の銀の酸化が進み、黒ずんでいるが、当時は、美しく光り輝く荘厳な写経であったことがしのばれる。
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OPEN DATADESIGN
Keio Object Hub では、データのオープン化を進めるだけではなく、オープン・データを活用してどのような体験がデザインできるか、さまざまな試みを行っています。
オブジェクトの詳細
識別情報
- タイトル(英題)
- Segment of Lotus Sutra Preface
物理的特性
- 重量と数量
-
員数 1幅
Keio Object Hubでは、試験的な取り組みとして、AI(機械学習)を用いてキーワードを付与し、検索やフィルタリングに使用しています(AIサジェスト)。
初期ローンチ時は、Google Cloud の Vision APIを利用して、各オブジェクトの画像を解析し、自動的にキーワードを付与しています。