エウセビオス『教会史』(パリ、1544年)

フランス国王が作らせたギリシア語活字の美
本書の活字「王のギリシア語活字」(Grecs du roi)は見るものを惹きつける魅力がある。繊細な線で人物や動植物が描き込まれた装飾イニシャルはみずからその美を語る。この活字セットを製作したのは、現代でもその名が轟くクロード・ギャラモン(Claude Garamont, d. 1561)である。出版は、フランス・ルネサンスの学匠印刷家として活躍したロベール・エティエンヌ1世(c. 1503–59)が手がけた。ロベールは、ラテン語、ヘブライ語、ギリシア語等の優れた聖書校訂版の刊行に尽力し、1539年、フランス国王フランソワ1 世よりラテン語・ヘブライ語王室印刷家に任命された。1540 年、フランソワ1 世が新たなギリシア語活字の制作を命じると、ロベールを通じて注文を受けたギャラモンは、王付きのギリシア語能筆家であったクレタ島出身のアンジュ・ヴェルジェス(Ange Vergèce; Αγγελος Βεργέκιος; 1505–69)の書体を手本に、ギリシア語草書体の活字と装飾イニシャルを製作した。1542年に完成すると、ロベールはこの壮麗な活字セットを使ってAlphabetum graecum (1543)を、その翌年に本書を印刷した(Vervliet, I, 130, II, 394)。(ST)
2o: **4, A–X8 Y–Z6, 2A–2Z6, 3A–3E6, 3F8, 3G6, Aa–Zz6, Aaa–Hhh6. 325 × 215 mm. USTC 149157.
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- タイトル(英題)
- Eusebius Caesariensis. Ecclesiasticae historiae Eusebii Pamphili. Paris: Robert Estienne, 30 June 1544.
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