三国筆海堂筆詩歌巻

- 人物
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作者三国筆海堂
- 年代
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制作年 AD17
- タイトル
- サンゴクヒツカイドウヒツシカカン
- コレクション
- センチュリー赤尾コレクション
- 所管
- 斯道文庫 キャンパス 三田
三国筆海堂〈さんごくひつかいどう・生没年未詳〉は、17世紀中頃に活躍した書家。弘化4年〈1847〉4月、古筆了伴〈こひつりょうはん・1790-1853〉の序をもつ『古今書画鑒定便覧』に「名ハ忠辰、正心斎ト号ス、書法御家流ヨリ出テ一家ヲナセリ」と紹介される。筆海堂は中国・日本の名跡を集録した法帖(『三国筆海全書』・20巻)を著し、学書(習字)に利便をはかった。その末尾には慶安5年〈1652〉9月某日の年紀が記され、筆海堂の生存を裏付ける資料でもある。また、望月三英〈もちづきさんえい・1698-1769〉著の『三英随筆』からは、彼が俗名志津摩一郎右衛門と称した水戸の徳川光圀〈とくがわみつくに・1628-1700〉の家臣であったことが知れる。これは、漢詩・和歌それぞれ五首ずつを交互に配した調度手本の巻物。漢詩は七言二句・七言絶句・七言律詩を詩題と作者を明記する。和歌5首のうち、二行書きにしたものは短冊の書き方、他の四首は色紙(しきし)などの散らし書きの書式を示したもので、いずれも手習い手本としての条件を備えている。漢詩・和歌とも『和漢朗詠集』や『新撰朗詠集』所収のものを含むが、「やまもとに…」の和歌と周南峰と方秋崖(方岳)の漢詩二首は出典不明。しかしながら、わが国人口に膾炙した詩歌であったにちがいない。筆海堂独特の筆法である。
春興白居易(じつは、杜甫の詩)秦城楼閣鶯花裏漢主山河錦繍中心あらむ人にみせはや津の国の難波あたりの春の気色を春夜(白居易の詩)不明不暗朧々月非暖非寒漫々風春の夜はいこそねられねおきゐつゝ護るにとまるはなならねとも龍井関周南峰*然一閣倚林恫中有神龍臥不驚六月青天無點雨幾人来此看雲生山もとに涼しき雲や生ぬらむあふすをやひくまとひなくする紫宸殿退朝口号杜工部戸外昭容紫袖垂双瞻御座引朝儀香飄合殿春風転花覆千官淑景移昼漏稀聞高閣報天顔有喜近臣知宮中毎出帰東省屴送虁龍集鳳池君かよにあぶくま川の水清み底にぞみゆる万世の影継一堂方秋崖径輿三茅借一峰自携周易聴松風隠居本為逃名計結入頭衛便不中ときはなる松の翠も春くれて今一しほのいろまさりけり三国筆海堂正心文(印「真幸正心之印」)
オブジェクトの概要
ライセンスなど
所管・分類など
グループのオブジェクト
OPEN DATADESIGN
Keio Object Hub では、データのオープン化を進めるだけではなく、オープン・データを活用してどのような体験がデザインできるか、さまざまな試みを行っています。
オブジェクトの詳細
識別情報
- タイトル(英題)
- Handscroll of Poems by Sangoku Hikkaido
物理的特性
- 重量と数量
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員数 1巻
- 付属品
- 桐箱 書付二
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